戸建ての維持費はどれくらい?必要な費用の内訳や節約方法などを詳しく解説します

住宅を購入する際につい忘れがちなのは、購入後にかかる維持費のこと。

マイホームには取得した後にも税金や保険料、修繕費などのお金がかかります。

それらの額は決して少なくないので、いつどれくらいの出費が必要になるのかを購入前にきちんと把握しておくことが大切です。

特に戸建ての場合にはマンションの様に修繕積立金がないので、自分で修繕費用を蓄えておかなければなりません。

そこで本記事では、戸建ての維持費はどれくらいかかるのか、マンションと比較してどうなのかなど、必要な費用や節約方法などを詳しく解説したいと思います。

戸建ての主な3つの維持費とは?

戸建てにかかる主な維持費は、以下の3つです。

  • 税金
  • 保険料
  • 修繕費

それぞれの費用についてご紹介します。

税金

マイホームを所有していると毎年税金がかかります。

それまで賃貸住宅に住んでいた方にとっては、想定外のことかもしれません。

はじめにマイホームにかかる税金についてよく理解しておきましょう。

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に対して必ずかかる地方税です。

税額は、土地や建物の固定資産税評価額に一定の税率(標準税率は1.4%ですが自治体によって異なる場合があります)を掛けて計算されます。

そして一般的な新築戸建て住宅の固定資産税の目安は、10~20万円程度になります。

また、固定資産税の支払いは6月、9月、12月、2月の年4回に分けて行うのが一般的ですが、一括して支払うことも可能です。

都市計画税

マイホームが市街化区域に建っている場合には、固定資産税と併せて都市計画税が課税されます。

都市計画税の税額は固定資産税と同様に固定資産税評価額を元に計算され、最大税率は0.3%です。

(税率は地域によって異なりますが0.2~0.3%の地域が多いようです。)

尚、都市計画税は都市計画事業や土地区画整備事業などに充てられます。

保険料

住宅を所有すると、万一の事態に備えて保険に加入する方が多いと思います。

そこで住宅の維持費を考える上で、ここでは保険について詳しく見ていこうと思います。

火災保険

火災保険は、万一火災被害にあった時の経済的なダメージを軽減するためのものです。

火災以外にも落雷、破裂、爆発、風災、雹災、雪災、水災などの様々な自然災害や、水漏れ、外部からの衝突、落下、集団行動による暴力行為、盗難などにも対応しています。

火災保険料は保険対象の建物が一戸建てかマンション(M構造)かによって区分され、さらに一戸建ての場合には建物の構造によってH構造(非耐火)とT構造(耐火・準耐火)に区分されています。

保険料はH構造、T構造、マンションの順に安くなります。

一般的な木造戸建ての火災保険料の目安は補償範囲や保険会社によって異なりますが、概ね年間1万円~2万円程度になります。

地震保険

様々な自然災害に対応している火災保険ですが、地震を原因とする損害は対象外となります。

地震に備える場合には、地震保険への加入が必要になります。

多くの火災保険ではオプションで地震保険を付けることができますが、地震保険に単独で加入することはできません。

家財保険

家財保険とは家の中にある家具や家電製品、服飾品、宝石、美術品などを補償するための保険のことをいいます。

火災や風災、水災、盗難、水漏れ、破損など様々なリスクに対応しています。

修繕費

住宅の寿命を延ばすためには、定期的な修繕が欠かせません。

家の修繕費の中でも比較的費用がかかる屋根や外壁などの修繕は、およそ10年~15年周期で必要になります。

これらの修繕には100万円以上の費用がかかることが多く、築後20年以上経過すると今度はキッチンやユニットバス、トイレなどの水回りの修繕が必要になります。

水回りの修繕費用は200万円以上かかってしまうのが一般的で、これらのメンテナンス費用を計画的に積み立てておく必要があります。

また定期的な修繕以外にも築年数が経つにつれて細かな修繕が必要になったり、老後にバリアフリー化が必要になったりします。

リフォームの可能性も加味して、修繕費は余裕を持って積み立てておくことが大切です。

戸建てとマンションではどれくらい維持費が違う?

戸建てとマンションとではどれくらい維持費が異なるのでしょうか。

この章では、戸建てとマンションの維持費の違いについてご紹介します。

税金

マンションにも固定資産税と、地域によって都市計画税が課税されます。

税率は戸建ての場合と同じですが、一般的に耐用年数はマンション(RC造)の方が長いので、家屋部分の評価額はマンションの方が長期に渡って高く設定されます。

また土地の固定資産税は住宅用地の特例があるので、土地が区分所有となるマンションよりも一戸建ての方が住宅用地の特例を享受しやすいメリットがあります。

一方で、土地の負担分が少ないマンションの方が土地の固定資産税の計算上では有利になります。

しかし固定資産税は、「土地評価額×1/6×1.4%」+「建物評価額×1.4%」=固定資産税で計算されます。

つまり、建物評価額の方が土地評価額よりも固定資産税に占める割合が高くなっているのです。

したがって立地や建物の規模、構造などマンションと戸建てでは違いが多いので、単純に税金を比較することはできません。

しかし一般的には物件価格に占める建物の比率が高いマンションの方が、固定資産税が高くなる傾向があります。

修繕費

マンションでは、毎月住居ごとに定められた修繕積立金の支払いが義務付けられています。

修繕積立金は、外壁や屋上防水、共用廊下、外階段の修繕、エレベーター、給排水管の更新など共用部分の定期的な大規模修繕工事への備えとして積み立てられるものです。

金額は大規模修繕計画を元に算出され、専有面積1㎡あたり200円/月(専有面積が70㎡の場合14,000円/月)が適正価格といわれています。

修繕積立金は、年数の経過とともに金額が高くなるのが一般的です。

また修繕計画に無い工事を行う場合は、一時金として追加で工事費用を徴収されるケースもあります。

一方、戸建てでは修繕費の積立義務はありませんが、将来の修繕に備えて月1~2万円程度修繕費用を蓄えておく必要があります。

屋根の葺き替えは100万円以上かかったりするなど、一度にまとまった金額を要します。

トータルの修繕費では戸建てとマンションに大きな差はありませんが、建物の状態や条件によってかなり幅があることは覚えておく必要があります。

また、マンションの修繕積立金は必須であるため節約できませんが、戸建ての場合やり方によっては節約できます。

参考:マンションの修繕積立金に関するガイドライン|国土交通省

保険料

火災保険の加入については、戸建てでは任意ですが(ただし住宅ローンを利用する際には必須になるケースが多い)、共同住宅であるマンションでは必須条件になります。

火災保険料はマンションの方が安く設定されています。

管理費

マンションには共用部分の電気代や清掃業務、メンテナンス費用、エレベーターの保守・点検費用、植栽の手入れ、管理人の人件費などに使われる管理費が毎月かかります。

管理費はマンションにより異なりますが、約1~2万円/月が一般的です。

以上のことから、毎月の修繕積立金や管理費がかからないうえに火災保険の加入も任意である戸建ての方が一見維持費がかからないように思われがちですが、戸建ての場合でも修繕費を計画的に貯蓄しておく必要があるので、管理費以外ではさほど大きな差が生じることはないでしょう。

ただし駐車場が必要な場合には、毎月駐車場代の支払いが発生するマンションの方が費用がかかります。

維持費の比較

戸建てとマンションでは、それぞれの維持費にかかる特徴があります。

特に修繕費に関しては建物の状態によってかなり左右されますので、日ごろから小さなメンテナンスや点検を怠らないことが費用節約に繋がります。

戸建ての維持費はいくら?維持費シミュレーション

戸建てに住んだ場合の維持費は、トータルでどれくらいになるのでしょうか。

30年間一戸建てに住んだ場合の維持費は、以下の通りです。

税金 250~300万円
修繕費用 600~800万円
保険料 40~60万円

30年間で1,000万円前後、1年間で40万円程の維持費がかかります。

特に、その金額を大きく左右する修繕費に関してはその内容や条件によって大きく変わります。

【戸建ての修繕費】

基礎・シロアリ対策 5~6年ごとに点検 1回約15~30万円
屋根 10年ごとに点検、20~25年で葺き替え 1回約50~200万円
外壁 15年~20年で補修 1回50~80万円
給排水設備 1~2年ごとに点検
15年以上経過で取り換え検討
1回30~150万円
ガス 毎年点検
10年~20年で取り換え検討
1回20~50万円

その他、大幅なリフォームを行う場合にも数百万円かかります。

住んでから10年後、30年後の事を考えてあらかじめ資金計画を立てておくことが重要です。

戸建ての維持費を抑えるための3つのポイント

維持費を抑えるといっても、税金は固定資産税評価額で決まるものであり、また保険は万一の備えになるものなので必要最低限の項目は外せません

したがって戸建ての維持費を節約するためには、修繕費用をできるだけ安く抑えることが最も効果的になります。

ポイントは以下の3つ。

  1. 長持ちする素材や施工方法を採用する
  2. 早めに補修を行う
  3. アフターケアの充実した業者を選ぶ

順に見ていきましょう。

1.長持ちする素材や施工方法を採用する

戸建ての修繕費用を節約するためには、できるだけメンテナンスサイクルの長い耐久性が高い素材を採用することが重要になります。

特に修繕費用が高額になる屋根や外壁などの外装材や給排水配管材などは、素材によってメンテナンスサイクルが1.5~2倍程度にもなるので、メンテナンスコストに大きな差が生じます。

さらに外壁や屋根の改修工事には足場の設置が必要になるため、メンテナンスサイクルを延長することによる効果は絶大です。

初期費用を抑えることだけにとらわれて新築時に安価な素材を採用してしまうと、修繕費用が高額になってしまうので注意が必要です。

2.早めに補修を行う

建物には、使用する素材や部位ごとに適正なメンテナンスサイクルがあります。

最適な修繕時期を逃してしまうと劣化が急激に進行して、思いのほか大掛かりな修繕が必要になってしまうことがあります。

定期的に点検を行い、不具合を見つけたら早めに補修を行うことが結果的に修繕費用のコストダウンにつながります。

3.アフターケアの充実した業者を選ぶ

住宅の修繕費用は、施工する建築業者によっても差が生じます。

修繕費用を節約するためには、定期的な点検と早めの補修が欠かせません。

建築業者によって無償定期点検制度や保証期間、アフターサービス体制などの充実度が大きく異なるので、引き渡し後のアフターケアが充実した会社を選ぶことも大切です。

契約する前には、住宅会社の保証内容やアフターサービス内容についてしっかりと確認しておく様にしましょう。

【Q&A】維持費の軽減に効果的な「固定資産税の軽減措置」とは?

Q:住まいの維持費の負担を軽くするための「固定資産税の軽減措置」とはどのようなものなのでしょうか?

A:固定資産税の軽減措置のひとつには、令和4年(2022年)3月31日までに新築された住宅に対して適用されるものがあります。

概要については課税床面積が120㎡までの部分につき、一般の住宅では3年間、3階建て以上の耐火・準耐火建築物の住宅では5年間にわたって固定資産税の1/2を減額するというものです。

また、2022年3月31日までに新築された住宅が認定長期優良住宅の場合には減額期間がさらに優遇され、新築から5年間(3階建て以上の耐火・準耐火建築物の住宅では7年間)固定資産税額が1/2に減額されます。

ほかに期限の定めがないものとして、住宅用地の特例があります。

住宅用地には、税金を軽減する目的として特例措置が設けられています。

居住を目的とした家屋の敷地については、一戸につき200㎡までの部分については課税標準額×1/6に、200㎡を超える部分については課税標準額×1/3に減額されます。

これらのほか既存住宅に関しては、一定のバリアフリー化、耐震改修、省エネ改修などを行った場合には、翌年1年に限って固定資産税が減税になる制度があります。

固定資産税の軽減措置

この他、自治体によっては独自の優遇措置を設けている場合もありますので事前にホームページなどで確認しましょう。

参考:総務省|地方税制度|税制改正(地方税)

住宅:住宅税制 – 国土交通省

まとめ

本記事では戸建ての維持費やマンションとの違い、費用の節約方法などについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

マイホームのためにコツコツとお金を貯めていたけれど、購入後にかかる費用のことなど全く頭の中になかったために全ての貯蓄を使い切ってしまったという方も多いのではないでしょうか。

マイホームを購入する際には大きな資金が必要になるため、つい建築予算にのみとらわれてしまいがちですが、購入後に長く快適に住み続けるためには建てた後の維持費についても知っておく必要があります。

本記事ではマイホーム購入後にかかる費用について、できるだけわかりやすくご紹介しました。

これからマイホームのご購入を考えている方が、購入する前に本記事を役立てていただけたら幸いです。

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