家を買う時の年収ごとの相場は?年収の何倍の住宅ローンが妥当?

家を買うにあたって、年収は大事な要素です。家を購入する際の主な資金源は頭金と住宅ローン。そのいずれも年収の多寡によって金額が変わります。

この記事は、年収によって購入できる家がどのように変化するのか、頭金や住宅ローンと年収の関係について解説するものです。

例えば、国土交通省の調査から、分譲マンションを買う人の年収が一番高いことなどが判明しています。

家を買う際の物件種別と年収の関係性

国土交通省が2020年3月に公表した「令和元年度住宅市場動向調査報告書」では、物件種類ごとの平均世帯年収が掲載されています。

この報告書で物件種類と年収の関係は次のとおりです。首都圏での住宅取得者の年収が高めになっていることがわかります。

  1. 分譲マンション取得者が最も年収が高い
  2. リフォーム住宅の年収水準は低め
  3. 分譲戸建住宅は600万円以下でも購入者が多い

ひとつずつ見ていきましょう。

1.分譲マンション取得者が最も年収が高い

分譲マンション取得者が最も高い年収となりました。

これは首都圏でのマンション価格が関係しています。

マンション価格の高騰が東京都内をはじめ首都圏では続いていました。このため、高騰したマンションを購入できるのが年収の比較的高い人に限られていたのです。

10年前であれば新築マンションを購入していた層が、中古マンションや郊外の安い住宅に流れていることがこの調査からもわかります。

2.リフォーム住宅の年収水準は低め

逆にリフォーム住宅を取得する人の年収水準は低めの結果となりました。

先ほどの分譲マンション取得者の年収と比較しても150万円以上の差です。注文住宅から見ても、約100万円の差があります。

リフォーム住宅は買取再販物件とも呼ばれ、不動産業者が中古物件を買い取り、リフォームを施して再販売した物件です。

リフォーム住宅は中古物件でもあることから割安で、しかもリフォームがなされているため、とてもきれいな状態になっています。

自分で手間のかかるリフォームをする必要がありません。

このため人気となっているのです。

3.分譲戸建住宅は600万円以下でも購入者が多い

年収別で見ていくと、分譲戸建住宅は年収600万円以下でも多くの人が購入しています。

この点で考えられるのがパワービルダーの存在です。パワービルダーは狭小な宅地に建物を建築し、比較的リーズナブルな価格で住宅を提供しています。

土地や建物も狭いながら、低価格が魅力です。パワービルダーの分譲戸建住宅であれば、600万円以下の年収でも購入することが可能です。

家を買う金額は頭金と借入額で決まる

家を買うための資金源は大きく頭金と借入額です。この二つの合計がほぼ物件価格となります。ここでは頭金と借入額の考え方についての検討です。

「頭金は物件価格の2割」、「住宅ローンは年収の5倍」といわれています。

これらが正しいのかどうか検討していきます。

頭金の考え方3選

頭金を多く出せばその分住宅ローンの負担は軽減されるもの。中には親や祖父母からの援助で多額の頭金を出すことができる人もいます。

一般に物件価格の2割といわれているのは、かつては物件価格の8割程度しか融資をしてくれなかったからです。現在は頭金なしでも家を買うこと自体はできます。

頭金についての考え方をまとめてみました。

  1. 頭金は多いほどよい
  2. 貯金を全額頭金に、は間違い
  3. 物件価格の2割が理想

それぞれ見ていきましょう。

1.頭金は多いほどよい

頭金は多いに越したことはありません。頭金は多ければ多いほど、借りる住宅ローンの金額を減らすことができ、返済が楽になります。

最近は頭金が少なくても融資を受けることも可能です。場合によっては、頭金なしで家を買うこともできないことはありません。

ただし、頭金が少ない状態で住宅ローンを借りると、その返済は多額になります。何かの拍子に返済が滞る可能性があるのです。

なるべく頭金は用意するようにしましょう。

2.貯金を全額頭金に、は間違い

頭金は多いほどよい、というお話しをしました。

だからといって、貯金を全額頭金にするのは慎重にしましょう。貯金全額を頭金にしてしまうと、急にお金が必要なった場合に身動きが取れません。

頭金以外にも、教育資金、万一のための貯蓄などが必要です。こうした必要になるであろうお金を差し引いたうえで、つぎ込めるお金を頭金にすべきです。

3.物件価格の2割が理想

株式会社リクルート住まいカンパニーが2020年3月に発表した「2019年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、新築マンションの自己資本比率、つまり頭金割合の平均は19.1%、約2割です。

やはり物件価格の2割が理想、というのは今でも通用するといえます。

一方で頭金がゼロという人も13.6%です。51.9%の人が頭金は物件価格の10%未満の頭金しか用意していません。

住宅ローンの考え方3選

住宅ローンは年収の5倍が限度、繰り上げ返済でなるべく早く返そう、というのがセオリーでした。ですが、これはもっと金利が高かった頃の話。

今では年収の5倍を超える融資も数多くあります。

住宅ローンに対する考え方を年収や家賃から考え、以下の3点にまとめました。

  1. 年収から考える借入額
  2. 家賃から考える毎月の返済額
  3. ギリギリまで借りるのはおすすめしない

詳しくお話しします。

1.年収から考える借入額

かつては金融機関の内規もあり、住宅ローンはおおむね年収の5倍程度の融資額が限度でした。これでも金利が高いことからかなりの返済額となっています。

ところが今や低金利の時代。多く借りたとしても利息で返済額が膨らむことは昔ほどではありません。今では年収の7倍程度でも融資が行なわれています。

今の融資は年収の5倍とは限らないのです。とはいえ、借入額は少ないことがセオリー。この低金利時代で年収5倍程度であれば、かなり楽な返済計画です。

5倍程度をひとつの目安としてみましょう。

2.家賃から考える毎月の返済額

総務省の公表している2019年の家計調査では、1LDKの平均家賃は約9万円、年間では110万円程度です。

一方で先ほどの国土交通省の住宅市場動向調査では、年間の返済額はおよそ90万円から130万円程度になります。

多くの人は平均的な家賃と同水準の返済額としているのです。

家賃から考えると、そのエリアの平均的な家賃と同水準か、それに若干のボーナス払いを加えた額が適正な返済額といえます。

3.ギリギリまで借りるのはおすすめしない

年収と家賃負担の両面から借入額について考えてみました。ただ、借入額や返済額はひとつの目安に過ぎません。限度額一杯まで借りることは危険です。

もし何かの事情で収入に変化があると、すぐに返済が難しくなります。仮に年収の10倍貸してくれるところがあったとしても、その利用は慎重にすべきです。

家を買う際の年収と住宅ローンに関する5つの留意点

年収倍率という言葉があるように、年収と住宅ローンには密接な関係があります。

住宅ローンとはつまるところ借金です。住宅ローンは多くの人が借りる最大の借金といえます。そんな人生最大の借金をするにはいくつかの留意点があるもの。

それを以下の5点に厳選しました。

  1. 収入が少ないときは年収倍率を少なめに
  2. ローン審査で落とされる可能性も
  3. トラブルに備えた資金計画を
  4. 今の金利は低水準が続いている
  5. 諸費用にも注意

さっそく見ていきましょう。

1.収入が少ないときは年収倍率を少なめに

ある物件が欲しいとき、年収が少なければ年収倍率をあげて購入することになります。

ですが、これは危険な行為です。収入が少ないということは余裕資金もないことになります。何かが起こると滞納の危機です。

収入が少ないときは年収倍率を少なめにしましょう。その結果、意中の物件が買えなかったとしてもそれは縁がなかったのです。

収入に見合った物件は必ずあるので辛抱強く探しましょう。

2.ローン審査で落とされる可能性も

年収や物件によっては住宅ローンの審査で落とされる可能性もあります。

審査項目は年収だけではありません。物件の担保価値、頭金の額、勤務先の状況にもローン審査の結果は左右されます。

逆に年収が少々少なくても、頭金を多く出せばローン審査を合格することも可能です。

金融機関としては返済能力を見ているので、金融機関が安心できるような材料を提供することも勝因となります。

3.トラブルに備えた資金計画を

どうしても欲しい物件があると、無理な資金計画にしてしまうこともあります。

こうした無理な資金計画は往々にして破綻してしまうもの。その原因は急なトラブルです。急な入院、主な働き手のけがや病気、勤務先の倒産などです。

年収倍率が高いとこうしたトラブルを乗り越えることができません。人生何が起こるかわかりません。何が起きてもいいように準備だけはしておきましょう。

4.今の金利は低水準が続いている

今の金利は歴史的に見ても低水準です。変動金利だと0.50%以下の金利もあります。これを利用しない手はありません。

もちろん、そのまま変動金利を利用することも可能です。一方、将来的に金利が上昇する可能性もあります。固定金利は割高ですが、やはり低水準です。

変動金利を選ぶのも固定金利を選ぶのも、慎重に検討しましょう。

5.諸費用にも注意

意外と忘れがちなものが諸費用です。

仲介手数料や登記費用、戸建住宅では測量費用が発生することもあります。こうした諸費用は、場合によっては物件価格の10%近くかかることも。

これらの諸費用は基本的に現金払いです。ローンに組み込むこともできますが、金利が高くなる場合もあります。

こうした諸費用は、通常は不動産業者が計算し提示してくれるものです。

資金計画上も忘れないようにしましょう。

年収がネックで家を買うことができない場合の5つの対策

欲しい家があったとしても手が届かないこともあります。

この場合、最もしてはいけないことは、無理をしてでもその物件を買うことです。これはどこかで無理が生じます。

そうならないために、年収がネックで家を買うことができない場合の対処法を考えてみました。以下の5点です。

  1. 中古物件や築年数の古い物件に切り替える
  2. 郊外の物件に変更する
  3. ダウンサイジングする
  4. 頭金を増やす
  5. 金融機関を変更する

順次見ていきましょう。

1.中古物件や築年数の古い物件に切り替える

中古物件や築年数の経過した物件はそれだけで安くなります。新築信仰とも言うべき、新築至上主義が幅を利かせているからです。

中古物件や築古物件は建物の程度がそれぞれの物件で異なります。建物の状態をチェックする必要があることから、物件を見る目が必要です。

こうしたことから中古物件や築古物件は敬遠されています。逆に言えば、きちんと物件をチェックすれば、中古物件であっても掘り出し物に巡り合えるのです。

2.郊外の物件に変更する

土地の値段は主に立地条件によって決定されます。少々環境が悪くとも、駅前の物件は値段が高いのがその証拠です。

反対に郊外に出ると安くて環境のよい物件もあります。利便性や将来的な売却可能性を考慮すると、郊外の物件はためらいがちです。

それでも人気のある郊外の物件は簡単に値段が下がることはありません。郊外にもよい物件は眠っているのです。

3.ダウンサイジングする

注文住宅では建物規模を縮小すること、分譲マンションでは他の部屋タイプを選ぶことでコストダウンが可能です。これをダウンサイジングと言います。

このほか、部屋数を減らす、部屋の面積を減らすなどの方法でも対処可能です。

4.頭金を増やす

頭金を増やせば、その分住宅ローンを減らすことができます。

ただし、これは言うのは簡単ですが、実行するのは難しい策です。頭金は簡単には貯まりませんし、頭金を貯めているうちにその物件は誰かが買ってしまいます。

この方法は、両親に頼んで頭金を上乗せしてもらう方法がよいでしょう。

5.金融機関を変更する

最後は金融機関を変更することです。かつてはほぼ横並びであった審査基準が、近年は独自の特色を出すようになってきています。

年収を重視する金融機関もあれば、物件の担保価値を重視する金融機関もあるのです。このため、一方では審査に落ちても、もう一方では通過することはよくあります。

ひとつの金融機関でなく、複数の金融機関に審査を依頼すれば、住宅ローンを借りられる可能性は高まるのです。

まとめ

家を買うにあたって、年収は重要なファクターです。頭金と年収によって購入できる家がほぼ決まると言っても過言ではありません。

とはいえ、今は給料が右肩上がりの時代とは違います。今の年収が維持できる保証はないのです。やはり、余裕をもった住宅ローンを借りることが大事になります。

決して無理をせず、安全サイドで判断して住宅を購入するようにしましょう。

うちハピ

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