欠陥住宅を事前に見抜く方法や買ってしまった後の対処法、弁護士などに相談する方法まで解説

人生の中で最も高い買い物であり、長い日々を暮らすマイホームの購入には、失敗したくありませんよね。

日本では住宅建築に関する厳しい基準があり、クリアしなければ建築や入居の許可がおりないため、全体として品質は高いといえます。

しかし、残念ながら施工時の手抜きが原因で、住み始めてから不具合が発生してしまうケースが、毎年一定の割合で発生しています。

洋服や雑貨であれば、製品に瑕疵があっても命が危険にさらされることはほとんどありませんが、住宅は人の命を守るものです。

少しの亀裂が重大な事故を引き起こしたり、最悪の場合命を失うことになってしまいます。

また、数千万円の買いものですから、購入した住宅に住めなくなってしまうと莫大な損害を被ってしまうことになります。

せっかく建てたマイホームが欠陥住宅だと知った時の精神的ダメージも計り知れません。

危険で悪質な欠陥住宅をつかまされないようにするために、建てる前にチェックしたい注意点と、万が一自宅が欠陥住宅だった場合に行うべき対処法をご紹介します。

参考にしていただき、後悔のない家づくりを進めてください。

欠陥住宅とは?

そもそも欠陥住宅とはどのような住宅をさすのでしょうか。

本来あってはいけないものなので用語として明確な定義はありませんが、過去の事例からよく見受けられる欠陥は次のようなものです。

基礎や土台など家の骨子となる部分に構造上の欠陥がある住宅

言うまでもなく、基礎や土台がしっかりしていることは、安全な住宅を建てるための大前提です。

この工程で欠陥が起きてしまうと、住むのに不便なだけでなく、建物が損壊したり、最悪の場合倒壊してしまう危険性があります。

住宅を建築する際には、土地を平らにならし、高低差を調整したり地盤を強化したうえで建築に入ります。

河川が近かったり元の土壌が弱い場合は杭を打ち込むなどして地盤改良を行いますが、そういった基礎工事が不十分だと、大雨が降った際などに土台から崩れてしまう可能性があります。

土台に欠陥があるケースです。

建物の基礎は、鉄筋を縦横に組んだうえでコンクリートを流し込みます。

ベタ基礎、布基礎といくつか種類がありますが、基本的には強固な鉄筋を軸として組み上げ、さらにコンクリートによって強度を高めるという考え方です。

この時、十分な量の鉄筋が使われていないと、上に建物が建った時に過重に耐えられず、コンクリートがひび割れて建物が傾斜してしまいます。

また、鉄筋の接合が不十分なケースもあります。

鉄筋はただ並べるだけでなく、互いに緊密に結び合っていないと意味がありません。

コーナー部分は特に負荷がかかりやすいため、長さにゆとりをもって巻き付けて接合する必要がありますが、鉄筋を節約しようとして接合部分の長さを省略すると、後々建物が建った後に一部に負荷がかかり、傾きや倒壊の原因となります。

一番多い不具合は基礎・外壁などのひび割れ

住宅の欠陥の中でも最も多いのが、基礎や外壁のひび割れです。

特に、基礎のひび割れは住宅の安全性を脅かす重大な欠陥です。

その原因はいくつかあります。

まずはコンクリートの収縮。

施工時はコンクリートに水を混ぜてペースト状にし塗り固めていきますが、長年の乾燥によって収縮が進むと、成分同士が引き離される力に耐えられずひび割れてしまいます。

乾燥だけでなく、急激な温度変化もひび割れの原因となります。

夏場に施工されたコンクリートが冬になって収縮し、ひび割れてしまうということがよくあります。

逆に長期間にわたり湿気にさらされていると、今度はコンクリート内部の成分が変化し、中の鉄筋が錆びて膨張して周囲のコンクリートを圧迫し、結果的にコンクリートに亀裂が入ることがあります。

外壁のひび割れも、安全に住むうえで見逃せない欠陥です。

主に、モルタルや漆喰、コンクリートなどの塗壁で起こりやすくなっています。

ひび割れは外観に影響するので見た目が悪いだけでなく、手入れが行き届いていないと見られて空き巣のターゲットにされる可能性も高まります。

ヘアクラックと呼ばれる塗膜部分のみの微細なひび割れであれば、経年劣化の範疇と言えますが、数㎝~数十㎝にわたるひび割れは、外壁材が剥がれ落ちる原因となります。

外壁材が剥がれ落ちてしまうと、雨漏りしたり内部が露出して外気に触れてしまうだけでなく、通行人にけがをさせてしまう可能性も。

最悪の場合は賠償問題に発展しかねません。

入居後1~3年の間に不具合が現れるケースが多い

これらの住宅の不具合は、入居して1~3年の間に発生することが多いとされています。

主な理由としては、コンクリートやモルタルなどの水分が蒸発してひび割れしやすくなるためです。

3年以内であれば多くの場合無償補修の期間内なので、見つけ次第施工会社に連絡し、対処してもらうようにしましょう。

欠陥住宅だった場合の5つの対処法とは?

では、万が一住み始めてから欠陥住宅であることが判明した場合の対処法をご紹介します。

瑕疵を伝えて補償を求めるのは気が進まないものですが、高いお金を払って建てた家なのですから、正しい権利を行使して一刻も早く事態を解決しましょう。

まずは売主に相談をする

建売住宅であれば売主に、注文住宅であれば施工会社に連絡しましょう。

営業担当でも、アフターサービス専門部署の担当者でも構いません。

その際、まずは感情的にならずに「このようなひびが見つかったのですが、補修してもらえますか?」とフラットに問い合わせしてみてください。

相手も人間ですから、あまり強い口調で責め立てると「住み方が雑なのでは?」と責任逃れをされかねません。

業者に補修を依頼する

施工会社で補修してもらえる場合は即座に依頼しましょう。

自分で補修業者を探して依頼する場合も、責任の所在が売主または施工会社にある場合は、費用負担を求めましょう。

本来であれば必要ない作業と費用であり、泣き寝入りする必要はありません。

ケースバイケースですが、作業のために一時的に仮住まいする場合は、家賃や引っ越し代も請求しましょう。

弁護士に依頼する

売主や施工会社に責任をとってもらえなかったり、費用負担の件で折り合いがつかない場合は、弁護士を通して解決するのも一つの方法です。

弁護士というと裁判沙汰になり大ごとなのでは……?と思いがちですが、弁護士に相談したからといって必ずしも裁判になるわけではありません。

内容証明という法的効力が認められた書類を送付してこちらの要求を伝えたり、法律の専門家としての観点から公平なアドバイスをしてもらえたりします。

住宅瑕疵担保履行法で補償が受けられるケースも

住宅瑕疵担保履行法とは、平成21年10月より施工された法律で、住宅の補修が確実に行われるよう、売主や施工会社に対して保険に加入することを義務づけています。

構造上主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分の欠陥が見つかった場合、保険金を受け取ることができます。

欠陥が判明した時に売主や施工会社が倒産してしまっていた場合でも、保険会社から補修費用として2,000万円までを受け取ることができます。

売主や施工会社が保険に加入しているかどうかは、請負契約または売買契約の時点で確認しましょう。

内容は引き渡しの際に交付される証明書に記載されています。

保険料を受け取ることができるのは、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保保険法人」に加入している場合に限られます。

話し合いが上手くいかない場合は公の機関に相談を

費用負担や補修に関して、売主や施工会社との話し合いがうまくいかずトラブルになってしまいそうな場合は、公の機関に相談する方法があります。

具体的には、住宅紛争審査会といい、施主側、住宅事業者側どちら側からの申し出でも、紛争処理を受け付けています。

費用はわずか1万円。

住宅紛争問題を専門とする弁護士や建築士が対応してくれるので、公正な判断で紛争を解決してもらうことができます。

欠陥住宅をつかまないための5つの注意点とは?

ここまで、わが家が欠陥住宅だということが判明した場合の対処法を紹介してきましたが、そもそも欠陥住宅をつかまされないようにすることも非常に重要です。

余計な手間と不幸な事態を避けるために、契約前に確認できる点、引き渡し後にチェックするべき点をご紹介します。

施工状態を確認するためには、完成宅の見学に行くのも有効です。

他人の家が欠陥住宅かどうかをくまなくチェックすることは気が引けますが、見学する際に少し意識しておくだけで、見方が変わります。

信頼のできる業者かどうか

まずは、依頼しようとしている業者と担当者のことを信頼できるかどうかです。

欠陥の有無にかかわらず、これから住む家を建てるわけですから、誠実な対応ができる業者を選んでください。

例えば、質問したことに答えてもらえない、極端な値引きをして「今だけですよ」と契約を急がせる、何かと対応が遅い、といった点がある場合は、考え直した方がよいでしょう。

口コミサイトなどにも体験談が書いてありますが、出来上がった家に不満があったり業者とトラブルになってしまったりする場合はたいてい、「もともと対応面で疑問を抱えていた」という人が多いです。

入隅(部屋の角)に不自然な隙間がないか

施工が進んで内装を見られるようになったら、部屋の角をチェックしてください。

部屋の角というのは施工の難易度が高い場所です。

壁紙に不自然な隙間がないかどうかをよく見ましょう。

壁紙がよれていたり、隙間が空いて下地が露出している場合は、構造か内装仕上げのどちらかに問題があります。

家の傾きがないか

床を歩いてみて傾きを感じないか、またはビー玉やパチンコ玉を転がしてみてどこまでも転がっていくようなことがないか、これも重要です。

建物または基礎がゆがんで傾いている可能性があります。

扉や窓の開閉がスムーズにできるか

扉や窓の立て付けも欠陥住宅を見抜くポイントです。

扉や窓は四角く作られていますので、建物が正しく、垂直・水平に建てられていれば、スムーズに開閉できるはずです。

新築であるにもかかわらずガタついていたりきしみがある場合は、建物がゆがんでいる可能性があります。

天井付近の壁にシミがないか

室内で見上げてみて、天井近くの壁にシミがないかどうか確認しましょう。

内側から水が染み出したようなシミがあったら、壁内部が結露しているか、外部の湿気が入り込んでいる可能性があります。

放っておくと大きくなり雨漏りの原因になることもあります。

欠陥住宅を売却することはできる?

不幸にも欠陥住宅を購入してしまった場合、売却はできるのでしょうか。

住宅を売却する際には専門家が査定を行い、買取価格を提示します。

家の傾きや雨漏りなどの欠陥はその際にもちろん確認されます。

不動産会社も売れる見込みのない住宅を買い取っては損になりますので、明らかな欠陥のあるままでは買い取りが難しいでしょう。

そのような場合は、施工会社またはリフォーム業者などに依頼して不具合を修繕するか、売買価格を引き下げて取引することで売却できるケースがあります。

不本意なことではありますが、売れずに残して固定資産税を払い続けるよりはマシと割り切るしかありません。

賃貸物件が欠陥住宅だった場合の3つの対処法とは?

ここまで、建売住宅や注文住宅など、持ち家が欠陥住宅だった場合についてお話してきましたが、賃貸物件が欠陥住宅だった場合はどうでしょうか。

まずは管理会社や大家に相談をする

賃貸物件のオーナーは管理会社や大家さんなので、欠陥が見つかったらまずは管理会社または大家さんに連絡しましょう。

連絡先がわからない場合、賃貸の契約書に記載があるはずです。

不具合に気がついたらすぐに連絡をする

住宅の欠陥は放置すると重大化してしまう可能性があります。

自分や家族の身に危険が及ぶ前に、気がついたらすぐに連絡してください。

何かあったらすぐに連絡できるように、管理会社や大家さんの電話番号を携帯に登録しておくとよいですね。

証拠の写真やメモなどを残しておく

賃貸物件の場合、欠陥は持ち主である管理会社や大家さんにとっても損害となります。

そのため欠陥が発生した経緯や責任の所在を明らかにすることが、トラブル回避につながります。

例えば壁のひび割れを見つけたら、即座に写真を撮り、発見した日付や状況(台風で強い風が吹いていたなど)をメモしておきましょう。

【Q&A】中古住宅の場合は保障が受けられないケースもある?

Q.欠陥が見つかっても、中古住宅の場合は保障が受けられないケースもあると聞いたのですが?

A.中古住宅の瑕疵担保責任には期限が設けられています。

というのも、中古住宅は新築から時間が経過しているため、建築上の瑕疵なのか住んでいるうちに劣化が起きたのか判別がつかず、永久に売主に責任があったのでは売主側のリスクが大きいためです。

売主が不動産事業者の場合、引き渡しから最低2年間の瑕疵担保責任を負うと決められています。

ただし、個人間の売買の場合、特約で売主の瑕疵担保責任が免除されている場合があります。

免除されている場合、購入後に住宅に欠陥が見つかっても、売主に修繕費用や補償を求めることはできません。

瑕疵担保責任の有無は売買契約書の重要事項として記載されているので、契約前に必ず確認しましょう。

まとめ

住宅購入には予想外の出来事がつきものです。

中でも欠陥住宅は命にかかわる重大なトラブル。

万が一直面してしまったら、泣き寝入りせず、正しく対処して平穏な生活を取り戻しましょう。

その前に、欠陥住宅を買わない、建てないことも重要です。

せっかく家を購入するのですから、信頼できる業者を見つけて、安心の暮らしを手に入れてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です