住宅ローンの毎月の返済額の平均や目安の計算方法、シミュレーションの活用方法も解説

住宅ローンの毎月の支払額は、借入額を決めるときのベースとなります。

借り入れできる額を知ることはもちろん大切ですが、月々いくら支払いできるかを考えることはもっと大切です。

以下のように考えている方は、もう一度月々の返済額について考え直した方がいいかもしれません。

・4,000万円の資金計画になったから、節約を頑張って月々11万円支払っていこう

・主人の同僚が月々10万円支払っているから、我が家も支払っていけるだろう

そもそも月々支払っていける金額がわかっていないのに、資金計画を決定してはいけません。

また、周りの意見を参考にしても、自分達と支出が全く同じ可能性は低いので、リスクが高いです。

しかし他人を気にするなとは言っても、みんなの毎月の返済額はどのくらいなのか気になっている人も多いと思います。

営業マンに希望の毎月の返済額を伝えて、見当外れのことを言っていないかと不安にもなりますよね。

かと言って、友人たちに聞きまわるのも気が引けます。

今回は住宅ローンを組んでいる人の毎月の返済額の平均額と、自分だけの月々の返済額を決める方法をお伝えします。

【住宅ローン】毎月の平均返済額は?

住宅ローンを組んでいる人の毎月の返済額の平均をお伝えします。

注文住宅やマンションなど、どんな建物を選ぶかによって毎月の返済額には大きな差が出ますが、年収に対する借入額には共通点があることがわかりました。

では、実際の項目別データをお伝えします。

フラット35利用者の毎月の住宅ローン平均返済額

今回お伝えするデータは、住宅金融支援機構が毎年調査しているフラット35を利用した人の平均値です。

2018年度のデータを元にしています。

参考資料⇒2018年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

実際のデータをお伝えする前に、使われる用語の意味をお伝えします。

毎月の返済額:毎月支払っている住宅ローンの返済額

借入額:フラット35で借りた住宅ローンの額

年収:フラット35で借入をした前年の世帯年収(審査時の世帯年収)

年収倍率:借入額が年収の何倍かを表した数値

①注文住宅購入者の毎月の平均返済額

1つ目はフラット35の住宅ローンで注文住宅の建築費のみを借入した人の平均です。

土地を元々持っていたり、自己資金で購入してマイホームを建てた人は、平均で毎月9万円くらいの支払いをしていることがわかります。

毎月の返済額 9.15万円
借入額 2,677.4万円
年収 592.8万円
年収倍率 4.5倍

②土地付き注文住宅を建築者の毎月の平均返済額

2つ目は建築費と土地購入費のどちらもフラット35で借りた方の平均返済額です。

①の結果と比べて、毎月の返済額が2万円以上高いという結果でした。

年収倍率が他の項目よりも高いので、年収の中からローンを負担する割合も大きいことがわかります。

毎月の返済額 11.33万円
借入額 3,496.8万円
年収 611.3万円
年収倍率 5.7倍

③建売住宅を購入者の毎月の平均返済額

3つ目は建売住宅を購入した方の毎月の返済額です。建築費だけを借入して注文住宅を建てた方と近い金額を毎月支払っていることがわかります。

毎月の返済額 9.86万円
借入額 2,944.5万円
年収 554.5万円
年収倍率 5.3倍

④マンションを購入者の毎月の平均返済額

4つ目は新築のマンションを購入した方の、毎月の返済額です。返済額を見ると12万円超えなので、返済が大変そうと感じます。

しかし、マンション購入者は平均年収も高いため年収倍率が低く、返済が厳しい数字というわけではありません。

毎月の返済額 12.17万円
借入額 3,544.1万円
年収 767.4万円
年収倍率 4.6倍

⑤中古戸建住宅を購入者の毎月の平均返済額

5つ目は中古の戸建住宅を購入した方の毎月の返済額です。

中古の戸建住宅とは築1年以上の建物、または築1年未満でも入居があった建売住宅のことです。

毎月の返済額を抑えたい方は、中古の戸建住宅を視野に入れてもいいでしょう。

ただし、築年数が経った中古の場合は耐用年数が短いため、買い替えも視野に入れる必要があります。

毎月の返済額 7.46万円
借入額 2,132.1万円
年収 503.0万円
年収倍率 4.2倍

⑥中古マンションを購入者の毎月の平均返済額

最後に中古マンションを購入した方の毎月の返済額です。

新築マンションを購入した方と月々の支払いは3万円以上の差がありますが、年収倍率は差が少ないです。

毎月の支払額は違いますが、支払いの負担は低いことがわかります。

毎月の返済額 8.72万円
借入額 2,522.5万円
年収 585.5万円
年収倍率 4.3倍

毎月の住宅ローン返済額を決める5つの方法

毎月の返済額の平均と、自分達が考えている月々の返済額のギャップはあったでしょうか。

エリアによっても金額の差はありますが、あまりにもギャップがあった場合には貯蓄を増やしたり建築予算を減らすなどの対策を打ち、毎月の返済額を抑える必要があります。

では、あなたに合った毎月の住宅ローンの返済額について考えていきましょう。

年収と返済負担率から考える

年収と返済負担率から毎月の返済額を算出する考え方です。

返済負担率とは、年収に占める1年の返済額の割合のことです。

例えば、年収500万円の人が年間100万円の住宅ローンを返済していたら、返済負担率は20%です。

100万円(年間の返済額)÷500万円(年収)×100=20%(返済負担率)

まずは、他の人がどのくらいの返済負担率で住宅ローンを組んでいるかを確認しましょう。

先程紹介したフラット35を利用した人のデータを元に返済負担率を算出しました。

年間の返済額 年収 返済負担率
①注文住宅購入者 109.80万円 592.8万円 18.5%
②土地付注文住宅購入者 135.96万円 611.3万円 22.24%
③建売住宅購入者 118.32万円 554.5万円 21.33%
④マンション購入者 146.04万円 767.4万円 19.03%
⑤中古戸建住宅購入者 89.52万円 503.0万円 17.79%
⑥中古マンション購入者 104.64万円 585.5万円 17.87%

17~22%の返済負担率で住宅ローンを組んでいることが多いことがわかります。

平均すると約19.5%です。

一般的にも返済負担率は20%以内が理想、20~25%が無理のない水準と言われているので、妥当な数字だと考えられます。

年収500万円の人のケースで妥当な毎月の返済額を考えます。

計算式は以下の通りです。

年収×返済負担率=年間の返済額÷12ヵ月=毎月の返済額

・返済負担率17%の場合

500万円×0.17=85万円÷12ヵ月=月々70,833円

・返済負担率19.5%

500万円×0.195=97.5万円÷12ヵ月=月々81,250円

・返済負担率22%

500万円×0.22=110万円÷12ヵ月=月々91,666円

500万円の年収の方は、月々7~9万円の支払い額が妥当だということがわかります。

しかし、家族構成や月々の支出によって金額は変わりますので、目安として考えましょう。

FPのライフプランを受ける

自分達に合った毎月の返済額を検討したい方は、FPのライフプランを受けることをおすすめします。

FPとは、ファイナンシャルプランナーの資格を持った、暮らしとお金に関する知識を持ったプロです。

また、ライフプランとは、自分達の収支や家族構成、将来設計などを考慮してお金のプランを立ててくれることです。

ライフプランを受けることで、住宅ローンだけでなく車や保険、養育費などの様々な分野のお金について相談することができます。

既にどこかの保険に加入している場合は、保険の担当者に相談すればライフプランをしてくれる場合が多いです。

その他にも、ハウスメーカーの営業マンなどに相談してFPを紹介してもらうこともできます。

事前審査を受ける

毎月の支払い額の目安を知りたい方は、住宅ローンの事前審査を行うこともおすすめです。

事前審査をすると、自分達がいくらまで借入できるかがわかりますので、毎月の借入額の上限を知ることができます。

借入上限額を知ることは、自分達の妥当な毎月の返済額を決めるための判断材料の1つです。

事前審査をすることだけで毎月の返済額を決めることはできませんが、決めるための大切な要素の1つになりますので、できれば早めに行いましょう。

しかし、本来事前審査を行うことの目的は、希望の借入額を借り入れできるかを審査することです。

そのため、希望土地や建物の情報や資金計画を提出する場合もありますので、考えがある程度まとまってから審査をすることをおすすめします。

今の家賃から考える

今の家賃や賃貸住宅でかかっているお金を振り返り、毎月いくら返済できるか考えてみましょう。

賃貸住宅に住んでいると以下のような費用がかかっています。

・家賃

・管理費、共益費

・駐車場代

・更新費

対して、マイホームを建てるとかかる費用は以下の4つです。

・住宅ローン

・固定資産税

・火災保険

・メンテナンス費、修理費

5つの中で、住宅ローン以外でかかる費用をまとめます。

1年間 30年間
固定資産税 10~30万円 600万円(平均の20万円で計算)
火災保険 2万円前後 60万円前後
メンテナンス費・修理費 年数によって大きな変化あり 500万円前後
12~35万円 1,160万円

30年間で1,160万円も住宅ローン以外に出費があります。

月々に直すと、1ヵ月に約3.2万円の貯蓄をすることが必要です。

現在の家賃をベースとして考えるときでも、単純に家賃にいくらプラスできるかを考えただけでは、根拠のない数字になってしまいます。

住んでからかかる費用の貯蓄も踏まえて、毎月の返済額を考えましょう。

返済シミュレーションサイトを使う

返済シミュレーションサイトを使って毎月の返済額を考えることも可能です。

マンションや建売住宅を購入予定の方は、自分が購入したいエリアの物件の価格相場がなんとなくわかると思います。

インターネット上に様々な金融機関のシミュレーションサイトがありますので、「返済シミュレーション 住宅ローン」で検索してみてください。

サイト内で借入金額や年数、金利を打ち込む項目がありますので流れに従って入力していくと、毎月の返済額がわかります。

自分が購入したい建物は毎月いくら支払いをすればいいのかを知りたい方は、返済シミュレーションサイトを活用しましょう。

また、希望する毎月の返済額だといくら借入できるのかを調べるときにも有効です。

住宅ローンの毎月の返済額を決めるには3STEPの順序が大切

住宅ローンの毎月の返済額を決めるときは、先ほど紹介した5つの方法を組み合わせて考えていきます。

しかし、考えていく中で大切なことは、どの方法をいつ行うかという順序立てて行動することです。

例えば、自分達の中で考えがまとまっていないのに事前審査を出しても毎月の返済額を決めることはできません。

また、ある程度考えがまとまってきた後にシミュレーションサイトを使っても何の意味もありません。

毎月の返済額を決めるための順序を3ステップに分けてお伝えしていきます。

STEP1 夫婦間で考えをまとめる

まずは夫婦間で毎月の支払額に対する意見を一致させておきましょう。

事前に考えをまとめておかないと、第三者に相談へ行ったときに、なかなか意見がまとまりません。

また、第三者の前ではお互いに本音を伝えにくい場合も多いです。

夫婦間で考えるときには、先程紹介した6つの方法の中で3つの方法を使います。

・年収と返済負担率から考える

・今の家賃から考える

・返済シミュレーションを使う

まず初めに、昨年の年収と返済負担率から妥当な毎月の返済額を算出します。

2人とも仕事を続ける場合は、2人の年収を合わせた世帯年収で考えて問題ありません。

パートなどで将来辞める可能性が高い場合は、含めない方が賢明です。

年収と返済負担率から毎月の返済額が算出できたら、自分達が返済していけるかどうかを考えます。

現在、賃貸住宅に住んでいる中でかかっているお金を書き出し、住宅ローンを組んだ場合いくら支払えるか考えてみてください。

その額が返済負担率25%を超えてしまっているなら、貯蓄がほとんどできない可能性もあります。

逆に15%以下であれば、もう少し毎月の返済額を上げても、無理せず支払いと貯蓄をしていける可能性が高いです。

返済負担率から算出される毎月の返済額と、自分達の意見を織り交ぜながら妥当な支払額を考えましょう。

この段階では、8~9万円のような曖昧な金額で構いません。

しかし、数字の根拠はしっかりさせておいてください。

なんとなく支払えるではなく、返済負担率は何%以内で月々いくら貯金ができる額だからと答えられることが理想です。

具体的な毎月の返済額が導き出せたら、返済シミュレーションサイトを使って借入額がいくらになるのかを確認してください。

または、希望している建売住宅やマンションが自分達が考えた毎月の返済額で購入できるかを確認しましょう。

STEP2 第三者に相談する

自分達の中で毎月の返済額の考えがまとまったら、第三者に相談してみましょう。

相談する相手は、6つの方法の中でもお伝えしたFPをおすすめします。

他にも住宅会社の営業マンに相談する人も多いです。

しかし、私は住宅会社の営業マンよりもFPの方が第三者的な意見が得られると思っています。

なぜなら、住宅会社の営業マンは自社の商品を購入できる金額まで予算を上げようとしてくるからです。

住宅会社の営業マンは、自社の建物を売ることが仕事ですので当たり前のことですが、お客様の予算の限界を超えてしまうような結果になる可能性もあります。

FPであれば、相談している家族の生活や収支を理解した上でアドバイスをくれますので、無理に予算を上げようとする人はいません。

自分達が考えた毎月の返済額が妥当かどうかを、客観的に判断してくれます。

STEP3 行動に移す

第三者の意見も取り入れて、毎月の返済額への考えがまとまってきたら、行動に移しましょう。

行動に移すとは、以下の2つをすることです。

・毎月の返済額で希望の建物が購入できるかを知る

・事前審査を受ける

まずは、気になる住宅会社や建物を探して、自分たちの毎月の返済額で購入できるかの確認をしてください。

予算と購入費が合えばそのまま事前審査に進み、借入が問題なくできるか審査をしてもらいます。

審査の承認が出たら、毎月の返済額に問題はありません。そのまま、家づくりを進めましょう。

問題なのは、自分たちの考える毎月の返済額と建物の価格が合わなかった場合です。

毎月の返済額が1万円以上希望と現実で差が付いている場合は、予算を上げてしまうと家計を圧迫してしまう可能性もありますので建築費を抑えることをもう1度考えてみましょう。

しかし、希望と現実の差が1万円以下であれば、もう1度夫婦で毎月の返済額について考え直してみてもいいかもしれません。

もしかしたら、毎日買っていた200円のコーヒーをやめるだけで希望と現実の金額が一致するかもしれません。

自分達の生活の中で見直せるところがないか探し、毎月の返済額を決めていきましょう。

まとめ

住宅ローンの毎月の返済額を考えることは、非常に悩ましいことだと思います。

周りの意見や一般論に流されすぎてもだめですが、周りの意見や一般的なデータを見ずに自分達だけの意見で決めてしまうと、住んでから大変な思いをする場合もあります。

毎月の返済額を決めるポイントは3つです。

①一般的なデータや意見を参考にして、自分達の考えが見当違いでないかを確認する

②現在の家賃だけでなく自分達の生活を考慮した上で、毎月の返済額を検討する

③希望と現実の額が違う場合は、諦めずに改善策を考える

満足した建物を建ててもローン生活で苦しむことは辛いですし、逆に余裕のある返済額だけど満足のいかない建物ではマイホームを建てた意味がありません。

返済の希望と理想的な建物のバランスを取れたマイホームを購入できるよう、しっかりと毎月の返済額を検討していきましょう。

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