実家の建て替えや2世帯住宅を建てるために、親と一緒に住宅ローンを組む人もいます。
実家を建て替えると、高断熱住宅で快適な暮らしができたり、バリアフリーな住宅にグレードアップすることができます。
親の将来の事も考えて、住みやすい家にしてあげたいと考える方もいるのではないでしょうか。
また、2世帯住宅を建てると、子世帯は家事の負担が軽減したり、親世帯は可愛い孫に毎日会えたりと、お互いに生活の質が上がることも多いです。
さらに、親と一緒に住宅ローンを組むと、自分1人で組むときにはないメリットを感じることができます。
しかし、もちろんデメリットもあります。
デメリットや住宅ローンの種類について知識がないと、住宅ローンを組んでから後悔するなんて可能性もあるのです。
今回は親と一緒に住宅ローンを組む4つの方法と、おすすめのタイプや注意点を詳しく解説します。
親と一緒に住宅ローンを組んでもいいかなと感じている方はぜひ目を通してください。
もくじ
親と一緒に住宅ローンを組むのはどんな時?
親と一緒に住宅ローンを組むのは次の2つのような場合です。
①実家が古いので建て替えをする
自分が結婚をしていなくても20歳を超えていれば住宅ローンを借入することができる金融機関がほとんどです。
実家を建て替えるときに、親の年齢だけではローンの完済が難しそうであれば、息子と一緒にローンを組むという選択肢が出てきます。
②結婚をしたので2世帯住宅を建てて親と同居する
結婚して2世帯住宅を建てる場合、奥様が専業主婦だと夫婦2人で住宅ローンを組むことはできません。
そこで、収入のある親と住宅ローンを組むという家族も多いです。
親と一緒に住宅ローンを組む条件
親と一緒に住宅ローンを組む場合、通常の住宅ローンの条件に加えて2つの条件をクリアする必要があります。
親子どちらとも収入がある
まず1つ目の条件は、親と子のどちらにも収入があるという点です。
金融機関は収入を元に借入額を審査しますので、どちらかに収入がなければ親子でローンを組むことができません。
ここで、収入についての2つの疑問を解決します。
①親が年金収入のみでも親子でローンを組むことができるのか
親が定年退職後で収入は年金のみというケースでは金融機関によって扱いが異なります。
フラット35では、公的年金であれば収入として算出できます。
しかし、収入が年金受給だけでは借入できない金融機関もあります。
事前に希望する金融機関へ確認しておきましょう。
②子がアルバイトでも親子ローンを組むことができるのか
親がまだ退職前でしっかりとした収入がある場合ならば、子がフリーターなどでアルバイトをしていても、親と一緒に住宅ローンを組むことは可能です。
しかし、親が主債務者にならなければいけない場合が多いため、親子で組める住宅ローンの種類が限られてきてしまいます。
また、アルバイトの年収や勤務年数によっては審査してもらえない場合も多いです。
親子が住むための家である
2つ目の条件は、親と子のどちらも住むために建てる家であるということです。
条件を満たさないケースは次のような場合です。
・実家を建て替えるために親と一緒にローンを組んだが、子は一緒に住まない
・夫婦で住む家を建てようと思ったが借入金額が足らず、親とローンを組んだ
一緒に住まないことを金融機関にバレないように、一度住民票を新居に移し、数ヵ月経ったら本当に住んでいる場所へ住民票を戻すという方法を取る人もいます。
しかし、金融機関にバレたときの危険性を考えるとおすすめしません。
親と一緒に住宅ローンを組むメリット・デメリット
親と一緒に住宅ローンを組むとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
それぞれお伝えします。
親と一緒に住宅ローンを組むメリット
まず初めに、親と一緒に住宅ローンを組むメリットをお伝えします。
借入額を増やすことができる
親子2人で住宅ローンを組むと、借入額を増やすことができます。
親子ではなく夫婦2人で組んだときも同じです。
金融機関は収入によって借入額を審査しているので、2人分の収入を足すことができれば借入可能額も上がります。
1人で住宅ローンを組もうとしたときに建築予算が足らない場合でも、親の収入を合算して建築することが可能です。
親だけではローンが組めなくても子がいると組むことができる
親だけだと返済期間の条件をクリアできないときに、子と住宅ローンを組むことで条件をクリアすることができます。
夫婦2人で組むときにはない、親子2人で住宅ローンを組むときならではのメリットです。
しかし、親子リレーローンの場合のみ適用されるメリットですので、組める住宅ローンの種類は限られてしまいます。
詳しくは親子リレーローンの説明のときに詳しくお伝えします。
親と一緒に住宅ローンを組むデメリット
親と一緒に住宅ローンを組むデメリットもお伝えします。
親が高齢の場合はローンが組めない
親の年齢が高齢の場合はローンを組めません。

高齢とは、親が80歳以上の場合です。
一般的に、住宅ローンを組む時は年齢が満70歳未満と設定している金融機関が多いです。
しかし、親子で組む親子リレーローンの場合は少し年齢の制限が異なります。
フラット35の親子リレーローンの場合、住宅ローンの申し込み時の年齢が満70歳以上でも申し込みが可能です。
しかし、親が住宅ローンを組むことができるのは満80歳未満なので、親が80歳を超えていたらどんなに元気でも親子でローンを組むことができません。
親が死亡すると子だけで返済しなければならない
住宅ローンの組み方によっては、子しか団体信用生命保険に加入できないケースがあります。
親が死亡した場合は、子1人で全額の住宅ローンを返済しなければなりません。
親も団体信用生命保険に加入することができれば、親の分の残債は0円になることもあります。
しかし、親と一緒に住宅ローンを組む場合は、子が団体信用生命保険に加入する決まりになっている金融機関も多いです。
子が加入しているので子が死亡したら住宅ローンは0円になりますが、親が死亡しても残債は残ってしまいます。
住宅ローンの組み方によっては、2人で団体信用生命保険に加入することも可能です。
詳細は後ほどお伝えします。
親と一緒に住宅ローンを組む方法
親と一緒に住宅ローンを組む方法は全部で4つです。
4つの中で、親子だけが組むことができる方法が1つ、夫婦でも組める方法が3つあります。
それぞれの特徴をお伝えするので、自分に向いている方法で検討してください。
①親子リレーローンの住宅ローンを組む
親と一緒に住宅ローンを組む1番代表的な方法が親子リレーローンです。
親子リレーローンは、名前の通り親子でしか組むことが出来ない住宅ローンです。
夫婦2人では組むことができません。
親子リレーローンとは、返済当初は親がローンを返済していき、後に子にローンを引き継いで返済していく方法です。
親子リレーローンの住宅ローンを組むメリット
親子リレーローンのメリットをお伝えします。
・借入額を増やすことができる
親と子の収入を合わせて審査するので、借入金額を増やすことができます。
息子だけでは建築希望額まで借入ができなかったとしても、親の収入を足すことで希望額に達することができます。
1人で住宅ローンを組む場合は、建物の要望を諦めて予算を下げなければいけませんでしたが、親子で組むことで理想通りの建物を建築することができます。
・ローンを借り入れる年齢を遅らせることができる
子と一緒に住宅ローンを組むことで、返済期間を延ばすことができます。
フラット35の条件では、借入時の年齢が満70歳未満、完済時の年齢が80歳と定められています。
しかし、親子リレーローンであれば親は満70歳以上でもローンを組むことが可能です。
また、親子リレーローンは子の年齢をベースとして考えますので、親だけでは組めないような長い年数を組むことができます。
借入時の年齢について、2つの例を考えてみましょう。
例1)満72歳の親がローンを組みたい場合、子の年齢は35歳
・親1人で組む場合
満70歳を超えていますので、住宅ローンを組むことはできません。
・親子で組む場合
息子が35歳なので、最長の35年で借入可能です。
親は80歳になるまでの8年間を支払い、子は残りの27年間を支払う契約で借入をします。
例2)満65歳の親がローンを組みたい場合、子の年齢は35歳
・親1人で組む場合
完済時年齢が80歳までなので、満65歳だと15年しかローンを組むことができません。
・親子で組む場合
例1と同じく、子が35歳なので、最長の35年ローンを組むことができます。
借入期間を20年も延ばすことができます。
返済期間が長いと月々の負担が軽くなり、借入可能額も上げることができます。
年齢の問題で実家の建て替えを諦めていた場合でも、子と住宅ローンを組めば建て替えが可能です。
親子リレーローンの住宅ローンを組むデメリット
親子リレーローンの住宅ローンを組む場合のデメリットもお伝えします。
・子しか団体信用生命保険に加入できない場合が多い
一般の金融機関で親子リレーローンを組もうとすると、団体信用生命保険に加入できるのは子だけのケースがほとんどです。
子しか加入ができないと、親が死亡したときに、残債が全て残ってしまいます。
一般的に考えると親が先に死亡する確率の方が高いので、将来子が1人で返済しなければならないことが想像できます。
フラット35であれば、住宅ローン借入時に親が団体信用生命保険に加入することが可能です。
親の返済期間中に親が死亡すれば住宅ローンの残債がなくなります。
また、親の返済期間終了後は子が団体信用生命保険に加入可能です。
親子リレーローンがおすすめな親子のタイプ
親子リレーローンがおすすめなのは、次のような親子です。
・親が70歳以上の親子
親の年齢が70歳を超えていても住宅ローンをくむことができる唯一の方法が、親子リレーローンです。
後に紹介する3つの方法では、一緒に借り入れをして借入額を増やすことはできても、返済開始年齢が70歳を超えることはできません。
しかし、親子リレーローンでは70歳を超えていても住宅ローンを組むことが可能です。
また親子リレーローンであれば子の年齢で借入年数を判断しますので、親が60歳でも70歳を超えていても35年間の住宅ローンを組むことができます。
・フラット35で借入をしたい
親子リレーローンを組む場合、フラット35の商品を選ぶことをおすすめします。
なぜなら借り入れ当初は親が団体信用生命保険に加入できるからです。
銀行などの金融機関の場合、団体信用生命保険に加入できるのは子だけの場合が多いです。
また、親も団体信用生命保険に加入できたとしても、子も一緒に加入することが条件とされてしまいます。
すると、親が亡くなっても子の分の住宅ローンは残るので、半分以上残債が残るケースがほとんどです。
フラット35で借入をしたいと考えている方に、親子リレーローンをおすすめします。
②ペアローンの住宅ローンを組む
2つ目の方法はペアローンです。
ペアローンとは、親と子で別々に2本の住宅ローンを組む住宅ローンの方法です。
親子リレーローンとペアローンは、子のローン開始のタイミングに大きな違いがあります。
親子リレーローンの場合は先に親が返済を始め、親の期間が終了したら子に返済を引き継ぐという方法でした。
しかし、ペアローンでは親と子が別々のローンを同時に返済スタートします。
そして、それぞれの期間内に自分の借入額分を支払うという返済方法です。
2本のローンを組むので、親と子のどちらもしっかりとした収入を得ている必要があります。
子がアルバイトの場合などはペアローンの借り方では融資を受けることができません。
ペアローンの住宅ローンを組むメリット
ペアローンで住宅ローンを組むときのメリットをお伝えします。
・借入額を増やせる
親子2人でペアローンを組むと、親子リレーローンと同じく2人分の収入を合算して審査を受けることができます。
ペアローンは2人ともしっかりとした収入を得ていないと組めない方法なので、2人の収入を合わせると借入額は大幅にアップします。
・2人とも団体信用生命保険に加入できる
ペアローンの場合、親と子どちらも団体信用生命保険に加入することが必須条件です。
親子リレーローンの場合は、子しか団体信用生命保険に加入できないケースが多いと説明しましたが、ペアローンでは必ず2人とも加入する必要があります。
1人1本のローンを組んでいるので、万が一のことがあっても自分のローン分だけは保険で賄うことが可能です。
ペアローンの住宅ローンを組むデメリット
ペアローンで住宅ローンを組むデメリットもお伝えします。
・親が高齢だと借入ができない
親の年齢によってはペアローンで借入できない場合があります。
フラット35でペアローンを借入する場合のルールは、借入時年齢が70歳まで、完済時年齢が80歳までという一般的な住宅ローンのルールです。
70歳を超えている親の場合は一切ローンを組むことができません。
収入がしっかりあっても70歳という年齢の壁を超えると、親は子の住宅ローンに力を貸すことができなくなってしまいます。
・手数料が2倍になる
ペアローンの場合、2本のローンを組むので銀行の事務手数料が2倍になります。
事務手数料は数万円~十数万円です。
数万円があれば、建物の様々な設備をグレードアップすることができてしまいます。
手数料はなるべくであれば支払いたくない無駄な費用です。
ペアローンで必ず組まなければならない理由がなければ、別の組み方の方が得をするでしょう。
ペアローンがおすすめな親子のタイプ
ペアローンがおすすめなのは、次のような親子のタイプです。
・2人とも安定した収入がある
ペアローンは親と子どちらも1人ずつローンを組む必要があります。
2人とも安定している収入があると、お互いに返済を滞りなく行うことができ、相手に迷惑をかけることがありません。
・親の方が収入が高い
親の方が収入が高い場合にペアローンはおすすめです。
親は返済年数が短くなる場合が多いので、子と同じ金額を借入すると月々の支払いが多くなってしまいます。
すると、返済負担率があがり、子と同じ金額を借入できないケースも多いです。
しかし、収入が多ければ返済能力も高いので、子と同じ金額を借りても問題なく返済していくことができます。
③連帯保証の住宅ローンを組む
連帯保証とは、親と子が主債務者か連帯保証人のどちらかになって返済していくケースです。
債務者は1人のため、ローンは1人で組みます。
連帯保証人は、主債務者の返済が滞ったときに返済する義務を負いますが、問題なく返済していれば支払いをする必要がありません。
連帯保証を選ぶほとんどの方の目的は、収入合算です。
自分だけでは借入金額が足りないときに、親の年収を合算することで借入金額を増やすことができます。
連帯保証の住宅ローンを組むメリット
連帯保証を組むメリットをお伝えします。
・親が債務者にならずに収入合算できる
連帯保証の場合、親が債務者になる必要がありません。
親と一緒に住宅ローンを組む方法で、親が債務者にならなくていいのは連帯保証のときだけです。
債務者にならなければ、親に80歳近くまで返済の負担を負わせなくてすみます。
・親が持分を持たなくていい
子が主債務者で親が連帯保証人になる場合、親は建物の持分を持つ必要がありません。
親が持分を持っている場合、相続などでトラブルの元になるケースもあります。
連帯保証の場合は子が100%持分を持つことになりますので、相続時もトラブルなくマイホームに住み続けることが可能です。
連帯保証の住宅ローンを組むデメリット
連帯保証を組むデメリットをお伝えします
・住宅ローン控除や住まい給付金が1人しか受けられない
連帯保証の場合、住宅ローン控除や住まい給付金は債務者になった親か子のどちらか1人しか受けることができません。
借入する人や借入額によっては、親子2人で受けた方が得になる場合も多いです。
・連帯保証人に万が一のことがあっても保証がない
連帯保証は主債務者しか団体信用生命保険に加入できませんので、連帯保証人に万が一のことがあっても住宅ローンへの影響は何もありません。
例えば、2世帯住宅に親子で住んでいて、子が住宅ローンを支払い、親が生活費を負担していたとします。
子が主債務者で、親が連帯保証人です。
そこで、親が亡くなってしまった場合を考えます。
住宅ローンの返済額には何も変化がありませんが、親が負担していた分の生活費まで子が負担しなくてはなりません。
結果、生活が苦しくなり返済が滞る可能性も考えられます。
連帯保証の住宅ローンがおすすめな親子のタイプ
連帯保証を組むべき親子のタイプをお伝えします。
・子(親)メインで家づくりをしようと考えている
親か子のどちらか1人でローンを組みたい、でも借入額が少し足りないと考えている方におすすめな組み方です。
主債務者は1人ですが、もう1人の年収を合算することができるので希望額まで借り入れできる可能性が高いです。
1人でローンを組みたいが、建築費をもう少し増やしたい方は連帯保証を検討しましょう。
・子(親)だけでも十分な収入がある
連帯保証を組む場合、主債務者の財力がとても重要となります。
デメリットでもお伝えした通り、連帯保証人に万が一のことがあっても住宅ローンの残債は何も変わりません。
連帯保証人との収入合算で借入額を増やせたとしても、何の考えもなしに上限まで借り入れることはおすすめできません。
連帯保証人が亡くなっても、生活していけるかどうかを考えて、借入額を確定していきましょう。
④連帯債務の住宅ローンを組む
4つ目の方法が連帯債務で住宅ローンを組む方法です。
連帯債務と、親子2人が主債務者と連帯債務者のどちらかになって返済をしていきます。
それぞれが債務者のため、ペアローンと非常に似ていますが、大きな違いが2つあります。
1つ目は、連帯債務は1本の住宅ローンを2人で組み、ペアローンは2本の住宅ローンを1人1本ずつ組む点です。
2つ目は、連帯債務は基本的に主債務者しか団体信用生命保険に加入できない点です。
中には2人で団体信用生命保険に加入できる金融機関もありますが、金利が少し上がってしまうなどの欠点あります。
連帯債務のメリット
連帯債務で住宅ローンを組む際のメリットをお伝えします。
・手数料が1本分しかかからない
連帯債務は1本の住宅ローンを2人で組むので、手数料が1本分しかかかりません。
ペアローンに比べて住宅ローンの諸費用が抑えられる分、建物費用や他の所にお金をかけることができます。
・住宅ローン控除、住まい給付金が2人で受けられる
連帯債務も、親子リレーローンやペアローンと同じように、親子2人で住宅ローン控除や住まい給付金を受けることができます。
連帯債務のデメリット
連帯債務で住宅ローンを組む際のデメリットです。
・連帯債務者に万が一のことがあった時のリスクが大きい
連帯債務の場合、通常は主債務者が団体信用生命保険に加入します。
しかし、連帯保証人のときとは違い、連帯債務者は住宅ローンを返済するという責任があります。
連帯債務者が亡くなった場合、主債務者は連帯債務者の分まで返済責任を負わなければなりません。
金融機関によっては親子2人で団体信用生命保険に加入することもできますが、金利が上乗せされる場合がほとんどのため、多額な出費につながります。
連帯債務を選択するときは、親子2人で団体信用生命保険に加入するか、連帯債務者の生命保険を手厚くするかをしっかり考えることが必要です。
・取り扱っている金融機関が少ない
連帯債務型の住宅ローンは扱っている金融機関が少ないというデメリットがあります。
フラット35では連帯債務型の住宅ローンを扱っていますが、都市銀行やネット銀行では連帯債務型の住宅ローンの取り扱いをしてないケースも多いです。
親子で連帯債務型の住宅ローンを組もうと考えた場合は、希望する金融機関に連帯債務型の住宅ローンがあるか事前にしっかり調べておきましょう。
連帯債務の住宅ローンがおすすめな親子のタイプ
連帯債務に住宅ローンがおすすめな親子のタイプをお伝えします。
・連帯債務者にもしっかりした返済能力がある
連帯債務者もしっかりとした収入を得ている親子に、連帯債務をおすすめします。
連帯債務者が不安定な収入の場合、多額の返済の主債務者が負担しなければなりません。
ローンが1本とは言っても、連帯債務者もローンの責任を負っています。
1人1人が支払うことができる金額を考えて借り入れをし、計画的に返済しましょう。
・できるだけ得をして住宅ローンを借入したい
連帯債務は、手数料は1本だが住宅ローン控除や住まい給付金は受けられるというお得な組み方です。
親子リレーローンとは同じメリットですが、ペアローンや連帯保証よりは優れています。
親と一緒に住宅ローンを組むときの3つの注意点
親と一緒に住宅ローンを組む時の注意点を3つお伝えします。
団体信用生命保険は加入できる場合は親も加入すべき
親と一緒に住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険に親も加入できるのであれば、必ず加入するようにしましょう。
親に万が一のことがあった時に、団体信用生命保険に加入していれば住宅ローンの負担が軽くなります。
4つの組み方の団体信用生命保険についてもう1度整理をしておきます。
・必ず2人で加入する:ペアローン
・主債務者しか加入できない:連帯保証
・金融機関によっては2人とも加入できる:親子リレーローン、連帯債務
団体信用生命保険は常に良さを感じることができる物ではないですが、万が一のときに加入していると大きなメリットを感じることができます。
親子で住宅ローンを組むということは、お互いに2世帯分の暮らしを背負っているということです。
親が亡くなってから苦労しないためにも、親は団体信用生命保険に加入しましょう。
兄弟がいる場合は相続について話し合っておく
親と一緒に住宅ローンを組む場合、相続トラブルが起きる可能性があります。
なぜなら、親子で債務者になると、親子で建物の持分を持つことになるからです。
親と一緒に住宅ローンを組む4つの方法のうち、親子で持分を持つ必要がある方法は次の3つです。
・親子リレーローン
・ペアローン
・連帯債務
持分は抵当権とは違い、自分のローン分の支払いが終わったからといって抹消されることはありません。
ずっと自分の所有権として残ります。
親が亡くなったときに、建物の所有権を持っていると兄弟で相続をめぐるトラブルになりかねません。
親子共に持分を持つ組み方で住宅ローンを組む場合は、事前に兄弟と話し合いをして、相続時は子の所有物にすることの了解を得ておきましょう。
話し合いができなかった場合は、連帯保証で住宅ローンを組んで初めから子が全ての持分を持つことをおすすめします。
子が新たに住宅ローンを組めない可能性がある
親と一緒に住宅ローンを組むと、子が新たにマイホームを建てようとしたときに、住宅ローンが組めない場合があります。
よくあるケースは次のような事例です。
子が独身のときに、実家を建て替えることになりました。
親の年齢が60歳を超えていたので親子リレーローンを組みたいと、親から相談を受けます。
当時、子は結婚を考える相手もおらず、住宅ローンの知識もなかったので深く考えずに承諾しました。
10年後、子が結婚しマイホームを建てようと考え始めます。
いざ銀行の審査を受けると否承認という結果がでました。
原因は親子リレーローンを組んでいるため、返済負担率が高くなってしまい借入できないとのことです。
借入の条件は親子リレーローンの完済ですが、まだ半分以上ローンは残っており、完済することはできません。
結果、子は新居を建てることができず、親子リレーローンが完済できるまで賃貸暮らしをしたという事例です。
今回は親子リレーローンを例に挙げて紹介しましたが、債務者にならない連帯保証人であっても審査に引っかかる可能性は高いです。
親と一緒に住宅ローンを組む場合、親は子の将来の事をしっかり考えた上で親子で住宅ローンを組むか考えましょう。
まとめ
親と一緒に住宅ローンを組む方法についてお伝えしました。
親と子の2世代でローンを組む場合、親子リレーローンが一般的に組まれていますが、実は他にも3つの組み方があります。
親がまだ70歳よりも若い場合は、連帯保証や連帯債務の方がメリットを得られる場合も多いです。
親と一緒に住宅ローンを組む場合は以下の4つのことを考えて、どの方法で組むかを決断してください。
・親の年齢
・親子それぞれの収入の安定性
・親が持分を持ってもいいか
・住宅ローン控除や住まい給付金は1人と2人で金額が変わるか
自分達に合った住宅ローンの組み方で、お互いにストレスのない同居生活を送っていきましょう。

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