木造住宅のメリット・デメリットや耐火・耐震・耐久の3つの耐性について解説!

国内の住宅は、89.6%が木造住宅です。

日本人が慣れ親しむ木造住宅には、非木造住宅にはないメリットが沢山あります。

そこで今回は、建築構造の中でも木造住宅にフォーカスして紹介していきたいと思います!

「木造住宅って実際どうなの?」

「木造住宅の耐震性が心配…。」

などなど。

気になる木造住宅のあれこれについて調査しました!

  • 木造住宅の構造・工法
  • 木造住宅の耐火・耐震・耐久について
  • 木造住宅の平均寿命は?
  • 木造住宅のメリット・デメリット
  • 木造住宅の減価償却は?

それでは、順に見ていきましょう!

木造住宅の3つの工法とは?

住宅の構造は、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3つに大きく別けられます。

このなかで木造は、以下のような工法があります。

  1. 木造軸組構法
  2. 2×4(ツーバイフォー)
  3. 木質パネル工法

近年はハウスメーカー独自の工法が採用されるケースが増えており、上記以外にも数多くの工法が見られるようになりました。

とはいえ主流は変わらず、日本の伝統的な工法である木造軸組工法(在来工法)がほとんど。

一戸建ての76.3%は木造軸組工法の木造住宅です。(参考:新設着工住宅における構造別・建て方別割合(平成29年度) – 国土交通省

木造軸組工法は、柱、梁(はり)、すじかいの3つが主な部材で、下記図のような構造となっています。


木造軸組構法の構造

画像引用:木造(住宅について)|市民のための耐震工学講座

昔から伝わる工法ではありますが、地方や職人によって技術的な差が出やすい構造でもあります。

一方、技術的な経験値をそれほど必要としないのが2×4(ツーバイフォー)工法です。

2×4工法はアメリカやカナダで主流の工法。

日本では木造枠組壁工法とも言われており、面で構成されているので風や揺れに強いという特徴があります。

同じような原理で、木質パネル工法と言われるのが下記図の通り。

横パネル工法の構造(木質パネル工法)

画像引用:木造(住宅について)|市民のための耐震工学講座

木質パネル工法は、壁となるパネルを工場で生産するため安定的な品質を保つことができます。

2×4工法との違いは、パネルを釘打ちする(2×4工法)か、接着剤で固定する(木質パネル工法)かという違いくらい。

ほとんどツーバイフォーと変わらないと思って良いでしょう。

ひとことで木造住宅と言っても構造が違えば、住宅そのものの特徴や仕様も変わってきます。

例えば木造軸組構法は、他の構造と比べて耐震性は劣るかもしれませんが、間取りを自由に変えられるという大きなメリットがありますし、2×4工法はその逆で間取りは変えづらいですが耐震性が高いという特徴があります。

それぞれにメリット・デメリットが存在するということですね。

木造住宅の耐火・耐震・耐久性ってどうなの?

木造住宅で心配な事と言えば、災害や劣化への耐性。

特に【耐火性・耐震性・耐久性】は住宅に欠かせない性能です。

そこで、これら3つの耐性を軸に、木造住宅の特徴を紹介していきます!

まずは耐火性から。

1.木造住宅でも耐火建築物になる

木造に火は絶対にNG!

誰しもが考えることですが、木造だから耐火性がないというわけではありません。

建築基準法の防火規制は大規模火災が起こる度に強化され基準を高めています。

そのため現行の基準であれば、木造住宅であっても、耐火建築物として防火地域に建築することもできるのです。

耐火建築物となるのは住宅の主要構造部が耐火構造であること。

具体的には、天井や壁を石膏ボードで被覆したり、ファイヤーストップ材を備え付けたりすることで耐火構造として認められるようになります。

ちなみに最近この耐火構造に関して改正案が閣議決定されました。(平成30年3月6日)

その内容の一部は、火災時に燃え残りが出るくらい厚みのある木材であれば石膏ボードで覆わなくても良いというものです。

石膏ボードで覆われていた部分がなくなることで、延焼防止をしつつ見た目としても木造住宅らしさを残せるというのが良いですね。

このように防火規制は度々改正され、時代を追うごとに強化されています。

そのため木造住宅だから耐火性がないとは言いきれなくなってきているのですね。

では、耐震性はどうでしょうか。

2.心配すべきは2000年5月以前の木造住宅

耐震基準についても、度重なる大震災の被害を教訓に見直されてきました。

現行は1981年6月1日に施行された新耐震基準。

同基準の有効性が顕著にあらわれたのは、2016年4月14日に発生した熊本地震でした。

下記のグラフは熊本地震での木造住宅の被害状況を表したものです。

画像引用:熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書について – 国土交通省

「倒壊・崩壊」の被害が最も大きいのは新耐震基準が導入された1981年5月以前の木造住宅。

一方、2000年6月以降の木造住宅の「無被害」割合は61.4%と、被害率が比較的小さくなっています。

これは新耐震基準の導入に加え、下記3つの基準が明確になったことが要因とされています。

  1. 接合部の金物仕様
  2. 耐力壁の配置バランス
  3. 地盤調査の実施

現在は工法の種類も増え、地震に強い木造住宅が増えてきています。

例えば、ツーバイフォー工法は面と面で支えているので地震に強い構造となっています。

事実、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、ツーバイフォー工法の家の倒壊はなかったという報告があります。

阪神・淡路大震災におけるツーバイフォー住宅の被害調査結果

阪神・淡路大震災(平成7年1月17日)によるツーバイフォー住宅の被害は全壊・半壊ともゼロであった(全体での住宅の被害は全壊10万4900棟、半壊14万4255棟)。家具の破損・転倒調査における食器戸棚の被害は、RC造70%、木造軸組工法60%であるのに対して、ツーバイフォー住宅はわずか10%。耐震性に優れ、揺れを柔軟に吸収・拡散する構造であることが証明された。

引用:ツーバイフォー住宅は強かった – 日本ツーバイフォー建築協会

ツーバイフォー工法の家は、東日本大震災(2011年)や熊本地震(2016年)でも被害が少なく、耐震性に優れた構造であることが実証されています。

工法が違えば、木造住宅であっても耐震性の高い家を建てられるということですね。

もっともこれから木造住宅を建てるのであれば、2000年以降の新耐震基準となる為、震度6強~7程度に耐えうる住宅が建てられるでしょう。

3.木造住宅の耐用年数は他構造の半分程度

家の耐久性は住む人の使い方によって変わると言われています。

ただそれだけでは比較しづらいので、ここでは耐用年数についてご紹介しましょう。

住宅の耐用年数は以下の通り。

  • 木造住宅…22年
  • れんが・ブロック造…38年
  • 鉄骨コンクリート造…47年

戸建て木造住宅の耐用年数は22年で、鉄骨コンクリートの半分以下の年数です。

耐用年数で比較すると、木造住宅は他の住宅構造よりも劣っているということですね。

ちなみに木造住宅の平均寿命は最大80年と言われていますが、平均寿命の算定には空き家として利用されていない家が含まれていたりするので、あまり参考にはならないでしょう。

木造住宅のメリット・デメリット

まず木造住宅のメリットを5つご紹介しましょう。

メリット1.建築費用が安い

木造住宅は工務店で建てられることが多いのですが、実はこれこそが安さの秘密。

なぜなら工務店で建築すると、ハウスメーカーでの仲介費用や高い必要経費を払う必要がなくなるからです。

そのため木造住宅は建築費用を安く抑えられるのです。

メリット2.湿度調整がしやすい

木材は呼吸をしているので、空気中の湿気を吸い取ったり、乾燥しているときは放出したりと湿度調整をしてくれます。

これがコンクリート造の場合、湿気を吸い取るどころか、溜まってしまい空気中の水が水滴となって壁についてしまうことがあるのです。

特に夏は家中が湿気でムシムシすることが多くなるでしょう。

その点、木造住宅は木材のおかげで自然と湿度調整ができるので、身体への被害もなく安心ですね。

メリット3.自由設計がしやすい

木材は好きなようにカットすることができます。

そのため自由に設計しやすいのが木造住宅の特徴。

例えばプレハブ工法の場合、決まった間取りで建てることになりますが、木造住宅であれば自由に間取りを設定することができます。

また木材の種類を変えることで、香りを楽しめたり、素材の特徴を生かした家づくりができるでしょう。

メリット4.増改築がしやすい

間取りを自由に設計できるということは、増改築も自由にできるということ。

建築後に「リフォームしたい」と思っても、鉄筋コンクリート造ではできない場合がありますが、木造住宅であれば壁をぶち抜いて空間を広げたり、大きな窓を設置したりすることもできます。

長く住む家のことを考えると、ライフスタイルに合った間取りを将来にわたって変えられるのは嬉しいポイントでしょう。

メリット5.木材には癒し効果がある

木材の香りには癒しの効果があり、快眠やストレス軽減などに良いとされています。

また肌に触れると温もりを感じられるという点も木造住宅ならではの魅力ですね。

以上のように、木造住宅には沢山のメリットがありますが「デメリット」もあります。

木造住宅のデメリットは以下の4つ。

デメリット1.品質にばらつきが出やすい

特に在来工法の木造住宅に言えることですが、職人さんが心を込めて1件1件つくりあげる家は、建築する職人さんによって出来上がりにバラつきがでるという難点があります。

また工期もかかってしまうので、早く建築したいという方には向いていないかもしれません。

ただしパネル方式など工場生産をしている工法を選べば、安定した品質で工期も短くすることが可能です。

デメリット2.耐震性・耐久性が他の構造より劣る

木造住宅の耐久性は昔に比べるとはるかに良くなっています。

しかし他の構造と比べてしまうと劣る部分があります。

デメリット3.音が伝わりやすい

木造アパートに住んだ経験のある人はよくわかると思いますが、集合住宅だと隣に住む人のテレビの音や、くしゃみの音すらも聞こえてしまうもの。

戸建ての場合でも隣の家が近いと、そこに住む人の階段の上り下りの足音が聞こえたり、外の音が聞こえやすかったりしてしまいます。

最も木造住宅を建てる際に防音対策をしていればそれほど気にする必要もなくなるかもしれません。

しかし基本的に音が伝わりやすいということは理解しておくべきでしょう。

デメリット4.害虫被害に遭う可能性がある

木造住宅ならではの欠点と言えば、害虫が発生しやすいということです。

誰もが嫌うゴキブリも木造住宅に出やすいと言われますし、一番厄介なシロアリの被害に遭う可能性もあります。

木材が大好きな害虫はそこら中にいるので、対策やメンテナンスを充分にしておく必要がありますね。

木造住宅の減価償却は?

「減価償却」という言葉を聞いたことがありますか?

減価償却とは、経年劣化がある資産を費用化するための会計処理のこと。

あくまでも会計処理、つまり事業に関する費用である為、個人宅の場合は減価償却はできません。

もし事業所が木造住宅であった場合は減価償却費を求めることができます。

まず土地には劣化という概念がないため、建物そのものだけが対象となります。

耐用年数に合わせて償却率が決まっており、建物の場合は以下のように定められています。

建物の構造 耐用年数 償却率
定額法 定率法
RC造、SRC造 50年 0.020 0.040
れんが造、石造、ブロック造 41年 0.025 0.049
金属造 骨格材の肉厚4mm超 38年 0.027 0.053
骨格材の肉厚3mm超4mm以下 30年 0.034 0.067
骨格材の肉厚3mm以下 22年 0.046 0.091
木造、合成樹脂造 24年 0.042 0.083
木骨モルタル造 22年 0.046 0.091

上記の償却率から減価償却費を算出していきます。

算出方法は「定額法」と「定率法」の2通り。

それぞれの式は下記の通りです。

定額法 取得価額×定額法の償却率
定率法 未償却残高×定率法の償却率(※)

(※)定率法の金額が償却保証額に満たない年分以後は「改定取得価額×改定償却率」で計算する。

2つの算出方法は資産の種類によって異なります。

建物の場合、2016年の税制改正で、それまで選択可能だった定率法が廃止され、定額法で計算されることになりました。

そのため取得日に合った算出方法が適用されます。

  • 2016年3月31日以前に取得→ 定額法 or 定率法
  • 2016年4月1日以降に取得→ 定額法

仮に木造住宅の取得価格が1500万円だった場合、次のような計算になります。

1500万円×0.046%=69万円

つまり、減価償却費は【 69万円 】ということです。

ちなみに中古の場合、算出方法が少し違ってくるので気を付けてくださいね。

中古の算出方法は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2=減価償却費」です。

詳しくは下記をご参照ください。

参考:No.5404 中古資産の耐用年数|国税庁

まとめ

木造住宅は頑丈な鉄骨造などと比較してしまうと、どうしても強度の面で劣ってしまう部分があります。

しかし、自由設計がしやすかったり、湿度調整がしやすかったり、建築費用が安かったりとメリットもたくさん!

何より木材の温かみが癒しを与えてくれるので、穏やかな暮らしができるところが魅力ですよね。

最近では耐火性にも耐震性にも優れた木造住宅が増えています。

様々な構造のメリット・デメリットを知って、一番自分に合ったものを選択しましょう!

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