<記事の情報は、2023年1月1日時点のものです>
手取り月収45万円の方が住宅ローンを借入する場合、適正な借入額はいくらなのでしょうか。
通常は年収をベースとして借入額を審査します。
しかし、手取り月収がわかれば適正な借入額や返済額を算出することは可能です。
むしろ、手取り月収で考えた方が返済ができそうかイメージがつきやすいので、借入額について考えやすいです。
今回は手取り月収を使って、住宅ローンの借入限度額や理想的な返済額についてお伝えしていきます。
これからマイホーム計画を始める方は、適正な借入額で購入を検討していきましょう。
また、すでに検討中の方は、自分たちが借入しようとしている金額が妥当かどうかを確認してください。
また、これから住宅ローンを組もうと考えている方は、プロのファイナンシャルプランナーに事前に相談しておいて下さい。
どれくらい住宅ローンを組めるのか、無理なく支払える住宅ローンはいくらなのか。
そして、どの銀行の住宅ローンが向いているのかをプロの視点からアドバイスしてもらえます。
ですが、FPに相談すると5,000円〜10,000円ほど費用がかかります。
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また、よくある保険代理店のようなしつこい営業をされないのも大きなメリットの1つです。
住宅ローンという特性上、無理な営業は国の法律で禁止されており不利な提案や悪質営業をされることもありません。
公平な立場で本当に合った住宅ローンをアドバイスしてもらえるのは大きいです。
もちろん、提案された住宅ローンを使う必要もありません。
住宅ローンは選び方1つで毎月1万円、2万円と大きく支払額が変わるもの。
実際に、よく考えずに不動産会社が提携している銀行で住宅ローンを借りてしまったためにトータルで500万円以上損をした人も少なくありません。
マイホーム購入を検討するなら面倒くさがらず、今すぐ無料でFPに相談をしておくことをおすすめします。
【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
手取り月収45万(額面56.25万円)で組める住宅ローンはいくら?(頭金なしの場合)
まずは、手取り月収が45万円の方が組むことができる住宅ローンの額を考えます。
今回のシミュレーションは適正な借入額ではなく、借入限度額のシミュレーションです。
また、頭金なしの場合ですので、借入額がそのまま建築総予算となります。
借入限度額を知るためには、手取り月収から概算の額面年収を計算することが必要です。
一般的に、額面の月収は手取り月収の1.25倍と言われています。
すると、以下の計算式で概算の年収が算出できます。
手取り月収45万円×12ヵ月×1.25倍=概算年収675万円
ボーナスが支給される方は、概算年収の675万円にボーナス分を加算してください。
また、もともと年収がわかっている方は、正しい年収を使ってシミュレーションしましょう。
シミュレーションに使う金融機関は全期間固定金利のフラット35です。
条件
手取り | 45万円 |
---|---|
概算年収 | 675万円 |
金利 | 2.32%(※1) |
返済期間 | 35年 |
返済方法 | 元利均等(※2) |
※2 2020年10月現在の金利を適用しています。(融資9割超の場合の最大金利)
参考サイト⇒最新の金利情報|フラット35
※3 元利均等返済とは、毎月返済額が一定になるように、元金と利息の割合を調整している返済方法です。
借りられる住宅ローンの金額
手取りの月収45万円の方の借入限度額は5,658万円です。
参考サイト⇒年収から借入額を計算|フラット35
額面年収の約8.4倍の金額が借入可能です。
手取りの年収から考えると、約10.5倍もの金額を借入することができます。
一般的には少し前の時代は年収の5倍と言われていましたが、最近ではもっと借入する方もたくさんいます。
今回の場合、マイホームを購入費は5,658万円以下に資金計画を抑えてください。
限度額を超えた計画をしていると、購入直前で借り入れができず計画倒れになることがあります。
まずは借入できる額を知り、限度額を超えないという認識を持ちましょう。
毎月の返済額を計算してシミュレーション
5,658万円をフラット35で借入した場合、毎月の返済額はいくらになるのかを考えます。
条件
借入額 | 5,658万円 |
---|---|
金利 | 2.32% |
返済期間 | 35年(420回) |
返済方法 | 元利均等 |
参考サイト⇒借入希望金額から返済額を計算|フラット35
シミュレーション結果
5,658万円借入した場合、毎月の返済額は約19.7万円です。
返済額を見て、限度額まで借入をするのはやめようと思った方も多いと思います。
支払えると思った方も、もう1度冷静になって考えてみましょう。
限度額まで借り入れると、手取り月収の内の44%は住宅ローンとして支払わなければなりません。
残りの約半分の給与で生活や貯蓄ができるでしょうか。
共働きで世帯年収は675万円以上ある方などは可能かもしれません。
しかし、世帯年収が675万円の家庭は、一般的に見て返済をしていくのはかなり大変な返済額です。
理想的な住宅ローンの借入額をシミュレーション
では、手取り月収45万円の方の、理想的な借入額はいくらなのでしょうか。
まず、手取り月収を参考にして理想的な月々の返済額を算出していきます。
一般的に、手取り月収の約2割を住宅ローンの返済に充てることが理想的です。
手取り月収45万円×20%=9万円
手取り月収が45万円の方の理想的な月々の返済額は、9万円ということがわかりました。
限度額まで借入したときの半分以下の返済額です。
9万円なら無理なく返済していけると感じている方がほとんどではないでしょうか。
では、月々の返済額が9万円の場合、いくら借入できるのか確認していきましょう。
条件
月々の支払額 | 9万円 |
---|---|
金利 | 2.32% |
返済期間 | 35年(420回) |
返済方法 | 元利均等 |
参考サイト⇒毎月の返済額から借入可能金額を計算|フラット35
シミュレーション結果
月々9万円を支払う場合、2,586万円を借入することができます。
借入限度額と比べると3,072万円も借入額が下がってしまいました。
頭金なしなので2,586万円がそのまま建築総予算です。
資金が足りない方は、頭金を貯めたり親から援助を受けるなど、資金を増やすための方法を探してみてください。
また、9万円以上の支払いをしても生活に余裕がありそうな方は、無理のない範囲で返済額を増やしてもいいでしょう。
住宅ローン控除はいくら戻ってくる?
住宅ローンを組むと、住宅ローン控除という制度が適用されます。
住宅ローン控除を簡単に説明すると、入居した翌年から10年間、一定の基準のもとで所得税や住民税の控除が受けられるという制度です。
一定の基準とは以下の3つのことです。
3つの中で1番低い金額がその年の控除額として適用されます。
- 40万円
- 年末残高等×1%
- 所得税+住民税(住民税の最大控除額13.65万円)
理想的な金額で借入をした場合、いくらの控除が受けられるのかシミュレーションしていきましょう。
条件
借入額 | 2,586万円 |
---|---|
金利 | 2.32% |
返済期間 | 35年(420回) |
返済方法 | 元利均等 |
入居月 | 2021年1月 |
扶養家族(配偶者、16歳未満の子は除く) | 0人 |
参考サイト⇒住宅ローンの控除(減税)シミュレーション|イー・ローン
シミュレーション結果
シミュレーションでは、10年間で約230.0万円控除を受けられることがわかりました。
1年ごとの控除額も確認していきましょう。
1年目 | 253,700円 |
---|---|
2年目 | 248,700円 |
3年目 | 243,700円 |
4年目 | 238,500円 |
5年目 | 233,100円 |
6年目 | 227,700円 |
7年目 | 222,100円 |
8年目 | 216,400円 |
9年目 | 210,600円 |
10年目 | 204,600円 |
合計 | 2,299,100円 |
毎月20万円を超える控除を受けられるというシミュレーション結果が出ました。
かなり大きな控除ですので、必ず忘れずに利用してください。
入居した翌年に1度だけ確定申告が必要です。
手取り月収45万(額面56.25万円)で組める住宅ローンはいくら?(頭金1割ありの場合)
次に頭金がある場合の借入額について検討します。
頭金なしのときと同じく、検討する金融機関はフラット35です。
今回は頭金を1割以上支払うこと条件として、フラット35の金利の優遇制度を活用できます。
頭金なしのときは2.32%で計算していましたが、頭金が1割以上あると金利が0.26%マイナスされた2.06%が適用されます。
条件は以下の通りです。
条件
手取り | 45万円 |
---|---|
概算年収 | 675万円 |
金利 | 2.06% |
返済期間 | 35年 |
返済方法 | 元利均等 |
借りられる住宅ローンの金額
頭金を1割入れた場合、最大の借入可能金額は5,888万円です。
年収の約8.7倍の借り入れができます。
さらに、建築資金の1割を頭金として支払うことが条件なので、建築総予算はさらに上がります。
借入額5,888万円+頭金662万円=建築総予算6,550万円
頭金なしのときの建築総予算と比較すると、約900万円の差があります。
ただし、あくまでも頭金を支払うことができた場合です。
662万円も頭金を払えないという方は、頭金を支払える額に合わせて建築予算を計画し直してみてもいいでしょう。
毎月の返済額を計算してシミュレーション
では、5,888万円借入をしたときの月々の返済額を確認します。
条件
借入額 | 5,888万円 |
---|---|
金利 | 2.06% |
返済期間 | 35年(420回) |
返済方法 | 元利均等 |
シミュレーション結果
毎月の支払額は19.7万円です。
頭金なしの借入限度額のときと同じ返済額になりました。
フラット35は、審査基準となる返済負担率を年収によって定めているからです。
返済負担率とは、年収に占める住宅ローンの割合のことで、フラット35は以下の通りに設定しています。
年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
---|---|---|
返済負担率 | 30% | 35% |
参考サイト⇒【フラット35】ご利用条件|フラット35
手取り月収45万円の場合は返済負担率が35%で設定されています。
頭金を1割以上入れると金利が下がりますので、返済負担率が下がります。
すると、返済負担率を35%に戻すために借入額を増やさなければなりません。
結果的に、同じ返済額でも頭金を入れた方が、借入額が多くなって得をします。
なるべくなら頭金を貯めてからマイホームを購入しましょう。
ただし、他の金融機関では頭金による金利の増減がないケースも多いです。
希望する金融機関に事前に確認してください。
理想的な住宅ローンの借入額をシミュレーション(返済比率が手取りの20%)
頭金を1割入れたときの、理想的な住宅ローンの借入額も確認しましょう。
今回も理想的な月々の返済額は、手取り月収45万円の2割分である9万円としてシミュレーションします。
条件
月々の支払額 | 9万円 |
---|---|
金利 | 2.06% |
返済期間 | 35年(420回) |
返済方法 | 元利均等 |
シミュレーション結果
理想的な借入額は2,691万円という結果となりました。
頭金なしのときよりも、105万円も多く借入することができます。
さらに建築総予算には頭金が足されます。
借入金額2,691万円+頭金309万円=建築総予算3,000万円
建築総予算はぴったり3,000万円です。
頭金の額も限度額まで借入した時と比較すると、支払いやすい金額になったのではないでしょうか。
自分に合った借入額と頭金の割合を見極め、お得に借入をしましょう。
住宅ローン控除はいくら戻ってくる?
頭金を1割支払った理想的な借入額の場合の住宅ローン控除額も考えていきましょう。
条件は、頭金なしのケースから借入金額と金利のみを変更してあります。
条件
借入額 | 2,691万円 |
---|---|
金利 | 2.06% |
返済期間 | 35年(420回) |
返済方法 | 元利均等 |
入居月 | 2021年1月 |
扶養家族(配偶者、16歳未満の子は除く) | 0人 |
シミュレーション結果
10年間の控除額は約238.0万円でした。
1年ごとの控除額も確認してみましょう。
1年目 | 263,700円 |
---|---|
2年目 | 258,300円 |
3年目 | 252,800円 |
4年目 | 247,200円 |
5年目 | 241,400円 |
6年目 | 235,500円 |
7年目 | 229,500円 |
8年目 | 223,400円 |
9年目 | 217,200円 |
10年目 | 210,800円 |
合計 | 2,379,800円 |
頭金なしの場合と比べて、約8万円も控除額が増えました。
借入額が増えた方が控除額が増加しますので、借入額を考えるときは住宅ローン控除額も頭に入れつつ検討するといいでしょう。
年収675万(額面)の人が住宅ローンを組む際に考えるべき2つのポイント
額面年収が675万円の人が、住宅ローンを組む際に考えるべきポイントを2つお伝えします。
①頭金をいくら支払うのかを考える
フラット35で借入を検討している方は、頭金をいくら払うのかを十分に検討する必要があります。
頭金を払うのであれば、建築費の1割以上を支払った方が確実にお得です。
そのため、支払うことができる頭金の額から逆算して、建築総予算や借入額を検討してもいいでしょう。
例えば、頭金が500万円支払える場合であれば、5,500万円が建築総予算となり、5,000万円が借入額です。
最高でも建築総予算5,500万円になるように計画する必要があります。
では、頭金ありの場合で、5,000万円の借入をしたら返済額はいくらになるでしょう。
借入額 | 金利(頭金あり) | 期間 | 月々の返済額 |
---|---|---|---|
5,000万円 | 2.06% | 35年 | 16.8万円 |
毎月16.8万円の支払いという結果になりました。
支払いが可能かどうかを考えましょう。
手取り月収が45万円なので、給料の約37%を住宅ローンで支払うことになります。
理想的な返済割合は20%でしたので、大幅に上回っています。
返済が難しそうであれば建築予算を抑えましょう。
このように、頭金の金額から借入額の範囲を絞ることも方法の1つです。
借入額や返済額が中々決まらない方は、実践してみてください。
②世帯年収から借入額を考える
世帯年収から借入額や返済額を決めてもいいでしょう。
借入するのはご主人1人だったとしても、奥様が今後も働き続ける予定なのであれば、世帯年収で計算しても問題はありません。
逆に、今は正社員で働いていても、数年後には退職している可能性があったり、年収が大幅に減る可能性があるのであれば、ご主人1人の年収で考えてください。
例えば、ご主人の手取り月収が45万円で、奥様の手取り月収が15万円の夫婦がいるとします。
ご主人1人では理想的な返済額が9万円です。
しかし、奥様の手取り月収も足して60万円と考えると、理想的な返済額は12万円に上がります。
毎月12万円の返済の場合、いくら借入できるか確認してみましょう。
月々の返済額 | 金利(頭金あり) | 期間 | 借入額 |
---|---|---|---|
9万円 | 2.06% | 35年 | 2,691万円 |
12万円 | 2.06% | 35年 | 3,589万円 |
世帯年収で考えると、借入額が約900万円も上がります。
将来の働き方が未定の場合は、奥様の給与の半分だけを世帯年収として加算するなどして、検討してもいいでしょう。
まとめ
手取り月収から借入額や返済額を検討することで、オーバーローンを組むことを防ぐことができます。
借入限度額についてもお伝えしましたが、手取り月収が45万円の方が5,000万円台後半の借入をする場合、返済負担率が40%を超えてしまいます。
一般的な生活を送っている家庭では、かなり返済が厳しいと思います。
できれば、手取り月収の2割分くらいの理想的な返済額で借入することが望ましいでしょう。
無理のない借入をしてマイホームを購入し、楽しく余裕のある暮らしを送っていきましょう。