内覧会時の注意点やチェックポイント、豆知識総まとめ

「内覧会」とは、建物の完成前に一戸建住宅やマンションを購入した人に向けて、契約書通りに工事が完成したかどうかを確認してもらうために売主や販売会社が引き渡し前に行うイベントのことです。

念願のマイホームのお披露目の場となると共に、「竣工検査」としての意味合いがあります。

初めて完成後の家を見ることができるとあって期待に胸が膨らむ一方で、何をどうチェックしたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

内覧会に参加するのは、住宅展示場やマンションのモデルルームを見学に行くのとは全く別の目的があります。

契約した図面通りに建築されているのか、欠陥や傷・汚れなどの不具合はないか・・・をチェックし、不備があれば指摘して売主に手直しを求めなければならない重要な機会です。

万が一入居してから不具合に気付いても、内容によっては修理してもらえないこともあるので、しっかりと事前準備を行い、確認作業を漏れなく行う必要があります。

では、内覧会に参加するにあたってはどの様な事前準備を行い、内覧会当日はどこを確認すれば良いのでしょうか?

本記事では内覧会時の注意点やチェックポイント、持参するものなどを詳しくご紹介します。

新築一戸建ての内覧会時の5つの注意点

内覧会が終わって指摘事項が何もなければ、そのままの状態で引き渡しが行われ、残金を支払うことになります。

新築住宅であれば施工業者が完成検査を行っているはずだからといって、必ずしも欠陥や不具合がないとは限りません。

万が一不具合があるにも関わらずそのまま引き渡しを受けてしまうと、後で大きなトラブルにつながってしまうことにもなりかねません。

もちろん引き渡し後に不具合を修繕してもらうことも可能ですが、キズや汚れなどについては対応してもらえないケースが多い様です。

また引っ越し後に手直し工事を行うとなると、家具の移動や埃、振動、騒音の発生、水回り設備の使用制限等、生活する上でも何かと支障があります。

この様な事態を避けるためにも引き渡し前に不具合を指摘して、手直し工事終了後に引っ越した方がストレスを感じることなく入居できます。

したがって物件の買主にとっては、内覧会は単なるお披露目の場ではなく、引き渡し前に物件の不具合の有無をチェックする「竣工検査である」という意識で臨むことが重要です。

内覧会の日程に関しては、建物の完成時期が近づくと売主や販売会社から連絡があります。

分譲マンションの場合には案内状が送付されてきますが、一戸建て住宅の場合は営業担当者から電話やメールで日程調整の連絡があることが多い様です。

新築一戸建ての内覧会時の注意点は以下の通りです。

1.内覧会は引き渡しの2週間程度前に行う

内覧会で指摘した事項は、引き渡し前までに是正してもらうのが原則です。

指摘事項がほとんどないというのは非常に稀なケースなので、あらかじめ補修工事期間を見込んでおく必要があります。

内覧会から引き渡しまでの期間が短すぎる場合には、十分な補修工事が行われなかったり、職人が手配できなくて引き渡し後に補修工事が行われたりすることにもなりかねません。

2週間程度の手直し工事期間を見ておけば、十分に対応してもらうことが可能になるでしょう。

2.内覧会は複数の人数で参加する

内覧会では、限られた時間の中で建物を隅々までチェックしなければなりません。

1人で参加すると、どうしても見落としやチェック漏れの可能性が高くなってしまいます。

夫婦や入居する家族、両親、親しい友人など複数の人数で参加することで、一人では気が付かない場所でも見落としのリスクを回避できます。

また小さな子供を連れて行くと、ゆっくりとチェックすることができなかったり、子供がキズを付けてしまったりすることがあるのであまりお薦めできません。

3.所要時間を必要以上に気にし過ぎない

売主や販売会社などから、内覧の所要時間を決められてしまうことがあります。

建物の面積や、是正が必要な箇所の数にもよりますが、30分程度の時間ではキズや汚れをチェックするくらいしかできません。

専門家に完成検査を依頼する場合には、一般的には2時間程度かかるので、これくらいの時間がなければ必要なチェックは行えないと思って間違いありません。

ダラダラと時間をかけるのは迷惑な行為ですが、時間がないからといって途中で切り上げることは絶対に避けなければなりません。

4.内覧会は必ずしも実施されるとは限らない

分譲マンションや大手デベロッパーなどの分譲住宅を購入した場合には、建物の完成時期が近付くと売主や販売会社、建築業者から内覧会の開催についての通知がありますが、小規模な不動産会社や工務店の建売住宅の場合には、特別に内覧会の日時を設定しないこともあります。

引き渡し前に、完成した建物を施主や買主が検査することはとても重要なことなので、必ず行う様にすることが大切です。

5.内覧会時の天候や時間にも注意が必要

一戸建て住宅の場合には、マンションと異なり屋根や外壁、基礎などの建物外部の確認や、必要により隣地との境界確認などを行います。

多少の雨ならやむを得ませんが、著しく悪天候で外回りの確認ができない場合には、日を改めて確認することも必要になります。

また、遅い時間からスタートすると、あたりが暗くなって不具合箇所が発見しづらくなってしまうので、できるだけ早めの時間帯を選ぶ様にしましょう。

内覧会時にチェックするポイントまとめ

内覧会では建物のどのような点をチェックすれば良いのでしょうか?

チェックポイントを5つに分けて解説します。

1.販売図面との照合

販売時に渡された図面や契約書に添付された図面と、実際に完成した建物に相違点がないかどうかを確認します。

・建物の配置、隣地との距離

・建物の形状、屋根の形状

・間取り

・部屋の大きさ、寸法

・天井高

・キッチン、浴室、トイレなどの水回り設備の仕様

・外装材、内装材の材質、色合い

・コンセントやスイッチ、照明器具の位置や数

・打ち合わせした内容は全て打ち合わせ通りになっているか

2.外装・内装の状態

・基礎や屋根、外壁、バルコニー防水などに不具合がないか

・床や柱、壁などに傾きがないか(水平・垂直精度を確認する)

・内外装材のひび割れ、剥がれ、破損、浮き、隙間などがないか

・建物の一部が隣地に越境していないか

・施工忘れ、取り付け忘れなどの工事が終わっていない箇所はないか

・部屋の隅々まできちんと清掃が行き届いているか

・床下や屋根裏の状態はどうか(床下点検口や天井点検口から覗いて確認する)

・階段の手すりやハンガーパイプ、面格子など固定されているべきものがしっかりと固定されているか

3.動作の確認

・玄関ドアやサッシ、雨戸の開閉はスムーズか、建具の建付け不良はないか、照明器具は点灯するか、水の出や排水の流れはスムーズか・・・など開閉できるものは必ず一度開閉したり、水を流したりして確認します。

4.キズ、汚れの確認

・キズや汚れ、破損などがないか

建具が閉まらない、換気扇が回らない、水漏れがするといった不具合は、引き渡しを受けた後でも修理してもらうことができますが、キズや破損などは引き渡し後になると誰の過失なのかがわからなくなってしまうので、対応してもらえないケースがあります。

多少時間がかかったとしても、隅々まで確認しておく必要があります。

5.隣地境界の確認

隣地との境界線の確認を怠ると、引き渡し後に思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。

隣地境界が明確でない場合には、内覧会時に隣地住民に立ち合いを求めるなどして、不明点をなくしておくことが重要です。

内覧会時に持っていくべき7つの持ち物

内覧会では、建物のチェックがメインになるので、必ず次のものを忘れずに持参しましょう。

必ず持参するもの

・図面(販売図面、設計図書等)

現地で完成した物件と照合するためには欠かせません。

内覧会前日までに改めてひと通り図面に目を通しておくことをお薦めします。

・メモ帳、筆記用具

指摘事項や後で確認が必要な事項などを書き留めておくために必要です。

・デジタルカメラ

スマートフォンのカメラでも代用可能ですが、指摘箇所を撮影して記録しておくことで、手直し工事終了後の再チェックの際に役立ちます。

その他、気になる点などを記録しておくと、万一の際の証拠にもなります。

・メジャー

部屋の大きさや天井高等各種寸法を計測し、図面との照合を行う際に必須です。

また、家具の配置やカーテンを購入する際に必要な寸法を計測するためにも必要です。

・水平器

床の傾斜や柱・壁の傾きをチェックする際に必要になります。

スマートフォンのアプリやビー玉などで代用する方法もありますが、精度を必要とする器具なので、ホームセンターなどで購入できる1,000円程度の簡易的なものの方が安心です。

・懐中電灯

床下点検口や天井点検口から床下や天井裏、屋根裏の様子を見る際に必要です。

また新築現場では照明器具が付いていないことも多いので、天候や時間帯によっては懐中電灯があると便利です。

・スリッパ

売主や販売会社が用意していることがありますが、スリッパがないと冬は足

元が冷たくて検査に集中することができなくなってしまいます。

あると便利な物

・付箋

キズや汚れのある箇所、気になるところなどに貼り付けておくと、誰もがわかりやすくて便利です。

・双眼鏡

屋根や外壁を目視で確認する際にあると便利です。

・点検鏡

先端についている鏡の角度を自由に変えることができるようになっているもので、ドア枠の上部などの目線が届かない場所を見たり、低い場所をのぞき込んだりする際に役立ちます。

ホームセンターなどで1,000円以下で入手することができます。

・脚立、折り畳み式の踏み台

天井点検口の中を覗いたり、高い位置にあるものを点検する際に必要になります。

・カイロや厚手の靴下、タオル等

部屋の冷暖房が使えないこともあるので、寒さ対策や暑さ対策にあると便利です。

・内覧会オリジナルチェックリスト

チェックリストは内覧会でどこを見るべきかをまとめて一覧表にしたものです。

項目ごとに確認していくことで、漏れなくチェックすることができます。

内覧会では時間的な制約もあって、予定していたチェック項目を確認するのを忘れてしまったなどということも良く起こりがちです。

チェック漏れを防ぐためにも、チェックリストを用意して持参することをお薦めします。

チェックリストは、売主側で用意していることもありますが、オリジナルのチェックリストを持参すると尚良いでしょう。

インターネットで様々なチェックリストをダウンロードすることが可能なので、お気に入りの物を見つけて用意しましょう。

内覧会時に知っておくと得する豆知識2選

ここまで内覧会の注意点やチェックポイント、持参するものなどをご紹介してきました。

他にも内覧会に役立つ情報をお伝えしたいと思いますので、是非参考にしてください。

1.建築士やホームインスペクターなどの専門家に同行を依頼する

建物を漏れなくチェックするのは、一般の方には非常に難しいものです。

ましてや施工ミスや隠れた欠陥をチェックすることなどは不可能に近いと思います。

この様な場合には、専門家の手を借りる方法があります。

建築士やホームインスペクター(住宅診断士)に依頼して、内覧会に立ち会ってもらうことも可能です。

こうしたサービスを3万円から5万円程度で提供している会社が多いので、この様な専門家に依頼してみるのも選択肢のひとつでしょう。

2.不具合の許容範囲を知る

内覧会で多くの方が不安になるのが、床や柱、壁などに傾きがあった場合でしょう。

住宅は人間の手で建てるものなので、完全に水平、垂直になることはほとんどありません。

では、床や壁または柱の傾きはどの程度までが許容範囲といえるのでしょうか。

不具合事象と見なすかどうかの判断基準の目安のひとつに、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」があります。

品確法では、「瑕疵が存する可能性が低い」と判断する基準として、3/1,000という数値を示しています。

床は3m程度の間隔、壁または柱は2m程度の間隔において計測した数値が3/1,000未満(1mにつき3mm未満の傾き)であれば、瑕疵(構造上の隠れた欠陥)がある可能性が低いという判断です。

3/1,000という数字を覚えておくと良いでしょう。

まとめ

分譲マンションや分譲住宅では、カタログや完成予想図、モデルルームを見て購入を決めた方がほとんどだと思いますので、内覧会は初めて自分の家を見学できる機会になります。

一方では、内覧会は購入した物件の最終確認をする場なので、浮かれてばかりはいられません。

内覧会でOKを出せば、それで検査に合格したものとして売り主は責任を果たしたものとみなされ、買主は残金の支払い義務を負います。

大切な家ですから、納得のいくまで確認して後悔のない様にしたいものです。

そして少しでも気になる点があったら、遠慮せずに指摘して不明点や疑問点を解消してから引き渡しを受ける様にしましょう。

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