シロアリによる戸建てへの被害の影響は?駆除費用や事前の予防・対策方法も解説

木造住宅に大きな被害をもたらすシロアリ。

国内の家の5軒に1軒はシロアリがいるといわれているほどなので、皆様の中にも被害の大小こそあれ、シロアリ被害にあった経験のある方も少なくないと思います。

最初はほんのわずかな被害でもそのまま放置しておくと、やがて建物の上部構造へも影響し、大規模な補修が必要になってしまう傾向があります。

最悪のケースでは、家1棟が倒壊してしまうこともあるほどです。

本記事では木造住宅の天敵であるシロアリの早期発見方法やシロアリ被害予防対策と費用、駆除方法などを詳しく解説します。

もくじ

日本はシロアリ被害が多い国

シロアリは木を主食とする昆虫です。

湿気の多いジメジメした暗い環境を好み、太陽の光を嫌います。

土でトンネルをつくって通り道にするため、普段人の目に触れることはほとんどありません。

そのため、気付いた時にはかなり浸食が進んでいたということになりがちです。

しかし地球上には約2,500種のシロアリの生息が確認されており、国内でも22種類前後が生息しているといわれるほど非常に身近な生き物です。

北海道の一部を除き日本全国に古くから生息していて、近年では外来種のアメリカカンザイシロアリによる被害も増えています。

また国内の木造住宅の劣化の原因は、1位が腐朽、2位がシロアリによるものとされていて、シロアリ被害による耐震性能の低下や資産価値の低下などの事例が数多くあります。

日本にいる主なシロアリ

国内では22種類のシロアリの生息が確認されているといわれていますが、住宅に被害をもたらすのは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。

そして近年ではアメリカカンザイシロアリの生息範囲が広がっていると報告されています。

ヤマトシロアリ

日本では最も一般的なシロアリで、シロアリの中では比較的寒さに強いため、北海道の一部を除く日本全域に生息しています。

国内の住宅被害の多くがヤマトシロアリによるものです。

イエシロアリ

千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域に生息するシロアリで、100万匹を超える大きな集団で生活するため、イエシロアリによる被害は甚大なものになる傾向があります。

木材だけでなく、コンクリートやプラスチックなども食べるので、木造住宅以外の住宅でも被害を受けます。

アメリカカンザイシロアリ

東京都江戸川区で発見されてから、徐々に被害範囲が広がっている外来種のシロアリです。

カンザイとは「乾燥木材」のことで、一般的なシロアリは水分を好み湿潤状態でないと生息できないのに対し、アメリカカンザイシロアリは乾燥した木材に道をつくり集団で生活しています。

建物の木材のほか家具類を食害します。

輸入家具などから国内に侵入し定着したものと思われ、食害を受けた木材の排出孔から乾いた砂粒状の糞を排出するのが特徴です。

シロアリを早期発見するための5つのポイントとは?

シロアリ被害の拡大を防ぐためには日頃からこまめに点検を行い、シロアリの痕跡を見逃さない様にすることが大切です。

しかし何をどの様にチェックしたら良いのかわからないという方がほとんどでしょう。

そこでこの章では、シロアリを早期発見するための5つのチェックポイントをご紹介します。

蟻道(ぎどう)がある

シロアリは、地面の下を伝って床下から建物内部に侵入することがほとんどです。

また太陽の光を嫌うため、土でトンネルを作って通り道にします。

これを「蟻道(ぎどう)」といいます。

たとえば床下の地面から基礎のコンクリートの立ち上がりや床束に沿って小さく土が盛り上がった跡がある場合には、その部分からシロアリが侵入した疑いがあります。

そこで定期的に床下を点検して蟻道ができていないかどうかを確認します。

蟻道につながっている木部がフカフカになっていたり、内部が空洞になっていたりする場合には、シロアリの食害を受けている可能性が極めて高いといえます。

蟻土(ぎど)がある

シロアリが作る蟻道は、「蟻土(ぎど)」と呼ばれる土壌や木材のカスにシロアリの排泄物・分泌物を練り合わせたものを塗り固めて作られています。

木材の表面から蟻土が吹き出ている場合には、シロアリの兆候になります。

シロアリの糞が落ちている

アメリカカンザイシロアリはほとんど蟻道を作らずに木の内部を食害しながら移動するため、被害の発見が遅れがちになります。

そんなアメリカカンザイシロアリを発見するためには、粒状の乾いた糞の発見が最も効果的です。

アメリカカンザイシロアリの乾いた糞は、被害箇所や天井などからパラパラと落ちてきたり、部屋の隅や窓枠の隅などに積もっていたりすることが多いので、その様な兆候を見逃さず、「もしや」と思ったら専門業者に調査を依頼しましょう。

ふすまが上手く閉まらない

木材でできている敷居や建具の内部がシロアリの食害を受けると、歪みが生じてスムーズに開閉できなくなります。

そのためふすまやドアの開閉がしにくいと感じたり、扉にガタツキがあったりしたらシロアリの食害が原因になっている可能性があります。

敷居や建具を金槌などで軽く叩いて、内部が空洞になっていないかどうかを確認しましょう。

また扉付近にシロアリの死骸や羽などが落ちている場合もあります。

床板が浮いている

歩行していて床板が浮いている様な感触があった場合には、シロアリの食害を受けて中が空洞になっている可能性があります。

特に台所や洗面所、トイレなどの水回りは湿気が多いので、シロアリ被害を受けやすい場所です。

この様な部分の床を少し強めに踏んで定期的にチェックすることで、早期発見につながります。

戸建てのシロアリ対策にはどれくらいの費用がかかる?

万一シロアリ被害にあってしまった場合には、戸建てのシロアリ対策にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

シロアリ対策にかかる費用の相場についてご紹介します。

次の3つの状態で費用相場が変わる

一般的なシロアリ駆除の費用相場は1平方メートルあたり2,200円程度になりますが、シロアリ駆除にかかる費用はシロアリの種類や被害の大きさ、駆除する方法によって変わります。

ひとつずつ見ていきましょう。

シロアリの種類

前述した様に国内で被害を受けることが多いシロアリの種類は主に3種類あり、種類によって駆除方法が異なります。

特にイエシロアリによる被害は甚大なものになる傾向が多いため、駆除費用の相場も高くなりがちです。

またアメリカカンザイシロアリの場合は食害の進行が遅いため、シロアリが侵入してから被害の兆候が現れるまでに数年を要するので被害が拡大します。

駆除法が確立されていない上に再発率も高いため、駆除費用が高額になります。

被害の大きさ

住まいの中のシロアリ被害の範囲が広範囲になるほど、駆除が必要な範囲が広くなるため高額な費用がかかります。

駆除する方法

シロアリ駆除の方法は複数ありますが、駆除する方法によって費用が異なります。

特にベイト工法などの人体に影響の少ない駆除方法の場合には、時間と手間がかかるため費用が高くなる傾向があります。

上記の条件の他に、シロアリ駆除を行うための床下への侵入口(床下点検口)がない場合などには追加費用が発生します。

戸建てに有効な3つのシロアリ対策

シロアリ駆除の方法は、主に以下の3つの方法が一般的です。

ベイト剤を使った駆除

シロアリ駆除用の置き型ベイト剤をシロアリのいる場所に設置して、シロアリに食べさせて駆除する方法です。

餌を巣に持ち帰ることで女王アリごと駆除できる可能性が高いので、再発防止効果の高い駆除方法になります。

ただし効果が出るまでにある程度の期間を要し、ベイト剤をシロアリが活動している適切な場所に設置する必要があります。

液剤を使った駆除

液状の薬剤を噴霧器で散布する方法で、駆除だけでなく予防にも適しています。

散布した際にシロアリが駆除されずに逃げてしまうことがあるので、シロアリが生息している場所に的確に散布する技術が必要です。

即効性は高くなくても土壌に薬剤が浸みこむため、土壌処理剤としても活用可能です。

エアゾール剤を使った駆除

スプレー剤による駆除方法です。

直接シロアリを駆除できるので最も簡単に作業することが可能ですが、エアゾールは容量が少ないため、広範囲への駆除作業や予防処理には向きません。

部分的な駆除に適した駆除方法です。

業者に駆除を依頼する場合の3つのメリットとは?

シロアリ駆除は、ホームセンターやドラックストアーなどで薬剤が市販されているので、個人でも比較的簡単に行うことができます。

しかし以下の3つの理由から、シロアリ駆除専門業者に依頼することをオススメします。

駆除効果が高い

自分でシロアリ駆除を行う場合には完全に駆除することが難しく、短期間で再発してしまうケースが多くなります。

専門業者に依頼することにより、シロアリの巣ごと完全に駆除してもらうことができます。

予防効果が高い

専門業者では駆除とあわせて予防も行ってもらうことができるので、再発防止効果が高くなります。

人体への影響が少ない

シロアリ駆除で使用する薬剤は人体にとっても無害ではないので、薬剤の使用量を極力抑えながらも最大の効果を発揮させなければなりません。

専門業者に依頼することで、駆除にかかる時間を短くして人体への影響を極力減らすことができます。

業者に駆除を依頼する場合に気をつけたい3つのポイント

シロアリ駆除を業者に依頼する場合には、信頼できる業者に依頼することが大切です。

シロアリ駆除業者の中には、悪質な業者や建築に無知な業者も少なくありません。

必要のない対策を行って法外な料金を請求されたり、構造耐力上重要な部分である基礎をはつられてしまって建物全体の耐震性能が大きく損なわれてしまったりするケースがたくさんあります。

以下のポイントを参考に業者を選ぶ様にしてください。

駆除方法や作業内容の説明が丁寧

被害状況に応じた駆除方法や使用する薬剤に関すること、駆除工事の内容など、わかりやすく丁寧に説明してくれる業者を選ぶことが大切です。

またシロアリ駆除の専門知識だけでなく、建物に関しても最低限の知識がある業者を選ぶ様にしましょう。

床下への侵入口がないために安易に基礎に穴を開けたり、はつったりすると、建物自体の強度が低下してしまうことになるので注意が必要です。

シロアリ駆除業者はシロアリが駆除できれば目的を果たすことができますが、そのために住宅の強度が低下することになってしまっては本末転倒です。

シロアリ駆除の知識があるのは当然のこととして、最低限の建築知識を併せ持った業者を選ぶことが大切です。

公益社団法人日本しろあり対策協会所属の業者である

「しろあり駆除施工士」などの資格認定を行っているしろあり駆除業界の団体です。

協会に所属している業者であれば安心の目安になります。

駆除にかかる料金が明確

駆除にかかる料金や追加工事となる工事の内容について事前に詳しく説明してくれる業者を選びましょう。

また不要な工事をすすめて高額な代金を請求する業者もいるので、少しでも疑問を感じたら建築した住宅会社や建築の専門家に相談する様にしましょう。

戸建てのシロアリ対策は新築時がチャンス

戸建てのシロアリ対策を万全に行うためには、新築時の対策が最も重要になります。

新築時のシロアリ対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

シロアリ被害にあいにくい家づくりの6つのポイント

シロアリ被害にあう住宅の多くが、新築した時点ですでにシロアリ被害を受ける要因があったといっても過言ではありません。

新築時にこれらの問題をしっかりと解消しておくことで、シロアリ被害にあうリスクを回避することができます。

ここではシロアリ被害にあうリスクを減らすための新築時の6つのポイントをご紹介します。

点検しやすいつくりにする

シロアリ被害を防止するためにはこまめに点検を行い、早期に発見することが不可欠になります。

そのためには、床下や天井裏に潜るための点検口の設置や、人が侵入して動き回るための床下の空間を確保しておくことが必要です。

また床下の基礎の立ち上がり部分には、人が通り抜けできる様に人通口を設けて、床下をくまなく点検できるようにすることが大切です。

土壌や木材に防腐処理をする

新築時には、土壌と地面から1mまでの木部の防腐処理や防蟻処理を行うことが建築基準法で定められています。

シロアリ対策に有効な樹種を使う

シロアリは木材を主食にしていますが、どんな木材でも好んで食べるわけではありません。

マツやホワイトウッド、スプルスなどの木造在来工法や2×4工法で多く使われている木材はシロアリが最も好む樹種ですが、ヒバやヒノキ、チークなどは好まないとされています。

したがってこうした樹種を土台や1階の柱などの地面に近い部分に使うことによって有効なシロアリ対策になります。

使用する薬剤をしっかり選ぶ

住宅のシロアリ対策では、ACQという薬剤を土台や柱に圧力をかけて注入する加圧注入がよく行われています。

こうしたシロアリ対策は効果が半永久的に続くといわれていますが、ほかにもネオニコチノイド系の薬剤やホウ酸系の薬剤などがあり、それぞれ防蟻効果や人体への安全性などが異なります。

ホウ酸系は安全性や防蟻性能が高いというメリットがある反面で、水に濡れると流れ落ちるという欠点があるため、外部に使用することができません。

この様に適材適所で使用する薬剤を選ぶ必要があります。

通気性を良くする

シロアリはジメジメした湿気の多い環境を好むので、特に床下の換気や通風が重要になります。

防湿対策や床下の高さの確保、適切な換気口の量など、湿気がこもらないための通気性の確保が大切です。

シロアリの侵入経路を重点的にケアする

シロアリの侵入経路になりやすいのは、基礎の立ち上がりと打ち継ぎ部、玄関ポーチ、配管貫通部などです。

これらの侵入経路については、定期的な点検を行ったり、工法を改善したりすることでケアすることが可能になります。

【Q&A】シロアリ被害に火災保険は適用される?

Q:シロアリ被害にあった場合、火災保険は適用されるのでしょうか?

A:結論からいうと、シロアリ被害には火災保険は適用されません。

火災保険は予測不能な偶発的事故などの際に適用される保険ですが、シロアリが発生するのには必要な条件があるため、予測不能な事態とはみなされないためです。

まとめ

ここまでシロアリの早期発見方法や駆除方法、シロアリ対策などについて解説してきましたが、重要なことは「シロアリは、ほぼ日本全国どこにでもいる身近な生き物である」ということを認識しておくことです。

シロアリはどこの家の土の中にも普通に存在しています。

したがって、いつシロアリ被害にあっても不思議ではありません。

大切なマイホームをシロアリ被害から守るためには、必要な対策を建物にきちんと施して定期的に点検を行うことが重要です。

この記事を参考にして、シロアリ対策を万全に行う様にして欲しいと思います。

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