注文住宅の修繕費用が高いってホント?メンテナンスの時期や費用相場などをわかりやすく解説

注文住宅を建てる際には、土地の購入費や建物の建築費にばかり気を取られてしまいがちですが、家を建てた後にも様々な費用がかかります。

特にそれまで賃貸住宅に住んでいた方にとっては、予想外の費用がかかって困惑してしまうケースが多いものです。

せっかくお気に入りのマイホームを手に入れても、家計が厳しくなる様では楽しく暮らしていくことはできません。

注文住宅を建てる上では、建築後にかかる税金や建物の修繕費などの維持費のこともきちんと知っておく必要があります。

そこで本記事では、入居後にかかる費用についてご紹介します。

注文住宅を建てた後にかかる3つの費用とは?

注文住宅を建築した後に支払う費用は住宅ローンの返済だけではありません。

具体的にどんな費用が必要になるのか見ていきましょう。

建物の修繕費

分譲マンションを購入した場合には入居後に毎月修繕積立金を徴収されて、将来のメンテナンスや修繕に備えるための修繕費がストックされます。

定期的な建物のメンテナンス、修繕が必要なのは一戸建住宅でも変わりありません。

住まいの修繕費は決して少ない金額ではないので、修繕が必要になってから用意しようとしても簡単に資金調達できるものではありません。

住宅をできるだけ長持ちさせて快適に暮らしていくためには、適切な修繕計画を立てて修繕費用を蓄えておく必要があります。

ローンの返済

住宅ローンの返済期間は一般的には最長35年ですが、30年以上を選択する方が多いと思います。

その期間中、ローンの返済は毎月休むことなく続きます。

長期間に渡るローンの返済を無理なく続けられる様に、家計管理をしっかりと行っていく必要があります。

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、家や土地などの不動産の所有者に課税される市町村税で、税額は市町村が決める土地と建物の固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算されます。

毎年1月1日時点の所有者に納税通知書が送付され、期日までに納税するのが一般的です。

一括で納めるほか、年4回の分納も可能です。

その他では火災保険費用があります。

住宅ローンを利用しない場合には必須ではありませんが、火災だけでなく風災などの自然災害を受けた場合にも利用できるので、万が一に備えて加入しておくと安心です。

年間の保険料は3~5万円程度(地震保険を含む場合には8~9万円程度)です。

注文住宅の中で特に傷みやすい2つの場所とは?

どんな建物でも年月の経過にともなう経年劣化を避けることはできません。

定期的なメンテナンスをしっかりと行うことで、新築時の美観や機能を取り戻すことができますが、メンテナンスを怠ってしまうと機能性や耐久性が著しく損なわれてしまいます。

注文住宅の中で特に傷みやすい部分をご紹介します。

屋根・外壁

屋根や外壁は、風雨や直射日光から建物を守ってくれる重要なパーツですが、日々紫外線や風雨、気温の変化などの自然環境にさらされているので、最も劣化しやすい場所のひとつです。

経年劣化を放置しておくと、雨漏りや構造躯体の腐食など建物に重大な不具合が発生する原因になるので、定期的な修繕・メンテナンスが不可欠です。

水まわり

キッチン、浴室、洗面室、トイレなどの水まわりは使用頻度が高いため屋内では最も傷みやすい場所で、放っておくと汚れが目立ち、雑菌が繁殖してしまいます。

また、水分や湿気がこもりやすいため、カビの繁殖やシロアリ被害、木材の腐食などが発生しやすい場所でもあります。

給排水管からの漏水なども起こりやすいので、定期的な点検や清掃、メンテナンスが欠かせません。

それ以外にも様々な場所が傷んでくる

どんなに良い素材を使って丁寧に建てられた住まいでも、築年数の経過による経年劣化は避けられません。

高温多湿な日本の気候風土の中で、特に木造住宅の場合には水分や湿気から建物を守ることが大切です。

雨漏りや水漏れなどによる水分は大敵なので、屋根や外壁、水まわり以外にも、バルコニー防水や床下の湿気対策、天井や壁の結露対策などが重要になります。

また新築時には薬剤による床下の防蟻処理を行いますが、薬剤の効果はおよそ5~10年ほどなので、定期的にシロアリ予防工事を行う必要があります。

注文住宅の修繕費にはどれくらいの費用がかかる?

建物を健全な状態で維持していくためには、定期的な修繕・メンテナンスが欠かせません。

では注文住宅の修繕費はどれ位見込んでおく必要があるのでしょうか。

住宅の維持に必要な修繕費を算出してみよう

住宅の維持に必要な修繕費は、建物の構造や工法、仕様、仕上げ材の種類によって多少の違いが出ます。

またメンテナンスサイクルについても、細かなものに関しては1年ごとに点検が必要になるものもありますが、比較的大がかりな修繕はおよそ10~12年が目安になります。

ごく一般的な仕様で建てられた注文住宅(延床面積25~30坪程度の木造2階建住宅)の維持に必要な主な修繕費を算出してみましょう。

約10~12年ごとに必要な工事

・屋根、外壁の塗り替え、シーリングの打ち替え  約100~150万円

・バルコニー防水 約15~30万円

・床下の防蟻工事 約20~30万円  ※以降5年ごとに実施

・給湯器、ガスコンロ交換 約40~50万円

合計 約175~260万円

約20~25年ごとに必要な工事

・ユニットバス交換  約80~120万円

・キッチン交換    約70~150万円

・便器交換      約20~50万円

・洗面化粧台交換   約15~30万円

・壁紙貼り換え    約50~80万円

合計 約235~430万円

したがって、10~12年後に約175~260万円、20~25年後には約430~720万円必要になり、累計では築25年目までに約605~980万円必要になることがわかります。

その他水栓金具のパッキン交換等消耗品の交換、照明器具、換気扇、エアコンなどの交換や、建具の調整、フローリングの貼り換え、畳の表替えなどが必要になる場合があります。

間取りの変更やバリアフリー化が必要になる場合も

将来のことまで考えて建てたつもりの注文住宅でも、長い間には子供の成長や家族構成の変化、生活スタイルの変化、身体機能の低下、加齢などのために、間取り変更やバリアフリー化が必要になるケースもあります。

単に住宅設備機器を交換したり内装材を貼り替えたりするだけでなく、住まいの構造や強度にも関わる可能性が高いだけに、綿密な計画の元に進める必要があります。

間取りを変更する場合は動線や建物の構造をきちんと考慮しよう

住まいの使い勝手を良くするための間取り変更を行う上では、家族全員の動線をしっかりと考慮する必要があります。

一部の人だけ便利になっても、他の家族にとっては使いにくい間取りになってしまうケースが少なくないので注意が必要です。

また、柱や壁の撤去を伴う様な間取り変更を行う際には、建物の強度に悪影響を与えることがない様に十分に検証を行う必要があります。

特に木造住宅の場合には、耐力壁の配置のバランスが悪くなったり、柱を撤去して建物を支えきれなくなったりすることがあるので、安易に柱や壁を撤去するのは避けなければなりません。

事前に綿密な構造補強計画を立てて、耐震強度を確保することが大切です。

庭のメンテナンスもしっかり行うことが大切

庭は建物と比較してメンテナンスが疎かになりがちです。

しかし、植木の根が成長して地中の給排水管を破損させてしまったり、植栽の落ち葉が雨樋を詰まらせてしまったりすることもあるので、決して軽視することはできません。

また、庭のウッドデッキが腐ってシロアリ被害の原因になったり、建物近くに設置した物置が床下換気口を塞いでしまって住まいの床下に湿気がこもる原因になってしまったりすることもあります。

一方では、道路から玄関に続くアプローチにスロープや手すりを設けることで、老後も安心して暮らせる家になることも多いので、建物だけでなく庭のメンテナンスにも気を配ることが大切です。

注文住宅を修繕する3つのタイミングとは?

建物の修繕サイクルはおよそ10~12年ごとになるということは既にご説明しました。

では10年ごとに、どんな箇所にどの様な修繕が必要になるのでしょうか。

築10年

築10年が経過すると、法律で義務付けられた施工会社の瑕疵担保責任が期限切れとなります。

したがって万一雨漏りや基本構造部分に不具合が発生しても、施工会社に無償で修理を行ってもらうことができなくなってしまいます。

しかしこの時期に施工会社による建物の定期点検を行って、必要と思われる有償工事を行うことで、10年間の保証延長が受けられるケースが多くなりました。

有償工事とは、屋根や外壁の塗装、シーリングの打ち替え、バルコニー防水などの雨水の侵入を防止する部分の改修工事とシロアリ予防工事です。

これらの部分は、雨漏りが発生しまってから修繕しても既に手遅れで、早めに改修工事を行うことにより建物の長寿命化や修繕コストの削減につながります。

また、給湯器やガスコンロなどのガス機器も10年程度で寿命を迎えることが多いため、このタイミングで交換が必要になります。

築20年

築20~25年で二度目の屋根・外壁塗装、シーリングの打ち替え、バルコニー防水などを行うのが一般的です。

この時期まで屋根や外壁のメンテナンス工事を一度も行わないままでいると、経年劣化が進行して改修費用が数百万円に膨らんでしまうので注意が必要です。

また、キッチンやユニットバスなどの住宅設備機器に関しても更新を検討する時期を迎えます。

室内に関しては、壁紙や床材などの汚れや剥がれが目立つ様になるため、張り替えを検討する時期になります。

ただしすべてを一度に改修するとなると500万円以上のコストがかかってしまうので、できるだけメンテナンスサイクルを延ばすことができる様に、日頃の清掃や手入れをしっかりと行っておくことが大切になります。

築30年

築30年を迎えると、屋根や外壁にも葺き替えや張り替えが必要になります。

また近年の給排水管は耐久性が向上しているものの、築30年で更新時期を迎えます。

住宅ローンの返済がほぼ終了し、新築時から家族構成やライフスタイルが大きく変化していることが多いため、この時期に大規模なリフォーム・リノベーションを行う方が多い様です。

木造住宅の寿命は約30年などと言われることがありますが、実際には適切な点検やメンテナンスをキチンと行うことにより、住宅の寿命を大幅に延ばすことができます。

注文住宅の修繕費で困らないための2つの注意点

注文住宅を建てる際に、修繕費のことまで良く考えていなかったという方が多いのではないでしょうか。

また考えていたとしても、予想以上に高額になることに驚いている方も多いと思います。

その時になって慌ててしまうことがない様に、早めに対策をとっておきましょう。

日頃から修繕費を積み立てておく

住宅の修繕は定期的にまとまったお金が必要になるので、直前になって修繕資金を調達するのは容易ではありません。

そこで注文住宅の場合にも分譲マンションの様に、毎月一定の金額を積み立てておく必要があります。

必要な修繕費用は前述した様に、築10~12年目までに約175~260万円、築20~25年目までに累計で約605~980万円必要になるため、毎月の積立金の額は最低でも2万円程度がひとつの目安になります。

はじめから毎月2万円の積み立ては難しいという場合でも、可能な金額から始めることが大切です。

小まめに修繕を行う

定期的な点検を習慣づけて、気になる箇所を見つけたら小まめに修繕することも、メンテナンスサイクルを長くしたり、修繕費用を節約したりする上で効果的です。

小さな劣化や不具合でも、そのまま放置しておくと急激に劣化が進行したり、劣化の範囲が広がって修繕費用が膨らんでしまったりすることがあるので、不具合に気付いたら早めに修繕を行っておくと良いでしょう。

【Q&A】屋根と外壁は一緒に修繕するとお得!?

Q:外壁が色褪せてきて汚くなったのでそろそろ塗り替えを検討したいと思うのですが、屋根も一緒に修繕した方が良いのでしょうか?

A:外壁の修繕を行うためには、作業のための足場を組む必要があります。

足場の架設費用は建物の大きさによっても異なりますが、15~20万円程度かかるのが一般的です。

一方、屋根は外壁と同様に常に紫外線や風雨にさらされているので、外壁と同じ様に劣化しやすい場所です。

外壁ほど目立ちませんが、外壁が劣化していれば屋根も同じ様に劣化が進行しています。

また屋根を修繕する際にも足場が必要になるので、外壁と屋根の修繕を同時に行なえば、1回分の足場代を節約することができます。

したがって足場をかけて外壁の修繕を行うのであれば、同時に屋根や雨樋の修繕など足場が必要な工事をまとめて行う様にするのが合理的です。

まとめ

家は建てた後にも様々な費用がかかるものです。

税金や住宅ローン、保険などであれば支払い時期や支払額が決まっているので計画的な支払いが可能ですが、住宅の修繕費用は支払い時期も支払額も確定しているものではないので、あらかじめ計画的に資金を積み立てておく必要があります。

問題が発生してから対処しようとすると、費用が高額になるためそのまま放置してしまうことになりがちです。

住まいの長寿命化をはかり長く快適に暮らしていくためにも、住まいのメンテナンス費用にもしっかりと目を向けていきましょう。

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