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<記事の情報は、2023年9月7日時点のものです>
地震大国と言われる日本において、耐震の重要性は言うまでもありません。
「もし地震がきたら…自分の家はどうなる?」
そう考えたことは誰しもあるはず。
耐震性の低い家は、地震に耐えきれずに倒壊または崩壊する可能性が高くなります。
一方で耐震性の高い家は、自分のみならず家族の身を守ることができるのです。
せっかくマイホームを建てるのであれば、家族にとって安心できる家づくりをしたいですよね。
耐震というのは家づくりに切っても切れない問題です。
今記事では、耐震性が高い家とはどういうことなのか?がわかるように解説していきますね。
ポイントは5つ。
- 耐震住宅の概要(耐震基準や耐震等級の意味)
- 耐震住宅の減免制度
- 家の耐震補強方法
- おすすめの耐震グッズ
- おすすめの耐震住宅
耐震についての知識を深めて、地震に負けない安心できる暮らしを手に入れましょう!
また、解説に入る前に家づくりを失敗させないために1番重要なことをお伝えします。
それは、1番最初にマイホーム建設予定に対応している住宅メーカーからカタログを取り寄せてしまうこと。
これから30年、40年と生活をするマイホーム。絶対に失敗するわけにはいきません。
家を建てようとする人がよくやってしまう大きな失敗が、情報集めよりも先に住宅展示場やイベントに足を運んでしまうこと。
「とりあえず行ってみよう!」と気軽に参加した住宅展示場で、自分の理想に近い(と思い込んでいる)家を見つけ、営業マンの勢いに流され契約まで進んでしまう人がかなり多いのです。
はっきり言って、こうなってしまうと高確率で理想の家は建てられません。
もっと安くてもっと条件にあった住宅メーカーがあったかもしれないのに、モデルハウスを見ただけで気持ちが高まり契約すると、何百万円、場合によっては何千万円という大きな損をしてしまうことになるのです。
マイホームは人生の中でもっとも高い買い物であり、一生の付き合いになるわけですから、しっかりと情報収集せずに住宅メーカーを決めるのは絶対にやめましょう。
とはいえ、自力で0から住宅メーカーの情報や資料を集めるのは面倒ですし、そもそもどうやって情報収集すればいいのか分からない人も多いはず。
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それではここから、詳しく解説をしていきます。
【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
耐震住宅とは?
耐震住宅とは、ずばり「地震に耐えられる住宅」のこと。
住宅建築の過程で、近年はさまざまな技術を用いて大地震に耐え得る住宅が多く見受けられるようになりました。
「耐震住宅100%実行委員会」という組織では、地震大国である日本の住宅をより安全で安心なものにするため全国100社を超える地域工務店が連携して独自の基準を設けるなど、耐震住宅の促進を行っています。
参考:耐震住宅100%実行委員会 – 日本の家を100%耐震に。
では「耐震住宅」はどのような背景で注目されるようになった住まいなのでしょうか?
耐震基準とは?いつからできた基準?
耐震基準とは、地震で建築物が倒壊または崩壊しないよう、建築基準法によって定められた基準のこと。
日本は地震が起きやすい地であることから、従来、地震による被害が深刻となっています。
1923年の関東大震災や、1948年の福井地震では建物倒壊などで多くの犠牲者が出ました。
そのような犠牲者の辛い経験を踏まえて、1950年に生命保護などを目的に建築基準法が制定されたのです(旧耐震基準)。
現在の耐震基準は1981年6月1日に導入された新耐震基準が適用されています。
旧耐震基準と新耐震基準の違い
1981年5月31日までの旧耐震基準と、1981年6月1日以降の新耐震基準。
この2つの違いは次の通りです。
新耐震基準では、大規模地震に対する基準が設けられています。
それまで震度6以上の大規模地震に対しての制限がなかったというのも驚きですが、耐震基準は現在も大地震が起こる度に修正が行われています。
耐震等級とは?
耐震等級とは、地震による倒壊または崩壊がどの程度されにくい構造躯体であるかを表したものです。
住宅の性能を表す表記として、よく「〇〇等級」というものを目にすることはありませんか?
建築基準法では、性能項目を等級で表していて、等級1は建築基準法程度の性能を意味しています。
地震に対する強さがわかる耐震等級は全部で3つ。
数字が大きいほど地震への耐性が強いことになります。
より耐震性のある家を購入したいのであれば耐震等級3を選ぶべきですが、前述したように耐震等級1であっても建築基準法が定める範囲内なので、十分安全に暮らすことができるでしょう。
ただ近年の地震発生率や大規模地震の予測などから、耐震性にこだわる人は増えてきています。
地震の多い日本で生涯安心して暮らすことを考えるのであれば、やはり耐震性の高い耐震等級3の住宅がおすすめです。
耐震・免震・制震の違い
耐震住宅を建てたいと思った時に、色々なハウスメーカーが打ち出している特徴を見ると「耐震」「免震」「制震」というワードが出てくると思います。
これらはいずれも大地震に耐えるための工法なのですが、揺れの受け止め方や力の逃がし方などが異なります。
耐震
多くの住宅で取り入れられている耐震構造で、文字通り「揺れに耐える」構造です。
筋交いなどで建物自体を強くし倒壊を防ぎます。
他の方法よりも低コストですみます。
免震
建物と基礎の間に免震装置と呼ばれる機器を設置することで、建物に揺れを伝えない技法です。
これにより揺れの力を受け流すことができるため、室内の揺れも抑えられます。
制震
主にビルなどの高層建物に用いられる構造です。
建物の内部にダンパーと呼ばれる制震装置を設置し、地震の揺れを吸収します。
大規模な地震や繰り返し襲ってくる地震にも有効です。
こうした3つの工法は、家が木造か鉄筋かといった違い、建てられている場所の地盤、耐震以外の工法との兼合い等で最適なものである必要があります。
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耐震住宅の3つのメリット
現在耐震住宅ではなくても耐震補強工事を行うことで、地震が発生しても倒壊しづらい家をつくることができます。
耐震補強には以下3つのメリットがあります。
- 資産価値が高まりやすい
- 住宅ローン減税
- 地震保険が10%割引される
まず耐震改修されている住宅は資産価値が上がりやすいです。
耐震住宅とそうでない家、あなたならどちらを選ぶでしょうか?
おそらく多くの人は前者を選ぶでしょう。
もちろん建物はどんなに改修工事をしても経過年数によって確実に劣化していきます。
住宅にも寿命というものがあるからです。
しかし、増改築等工事証明書などで耐震改修されていることが証明できれば、買主も安心して中古住宅を購入することができますよね。
耐震改修をすることで、年末のローン残高の1%を所得税から控除する住宅ローン減税を受けることもできます。
また地震保険には耐震診断割引があり、保険料の10%が割引されるというメリットもありますよ。
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まずは耐震診断から始めましょう!
耐震性の高い安心の家を手に入れるためには、耐震診断を行うことから始めると良いでしょう。
耐震診断は、耐震診断資格証を持つ建築士のみが行えるものです。
主に中古住宅で利用されますが、新築の注文住宅でも利用は可能です。
ただ年数も経たないうちに診断しても意味がないといえるでしょう。
施行がきちんと行われているか心配だという方は、耐震診断をするよりもやはり現場で確認することが一番です。
と言うのも耐震診断は図面を基に劣化具合を診るもので、図面上の確認作業は建築時にも行われているからです。
耐震診断が必要になるのは、ある程度年数が経過している中古住宅です。
具体的にどんな流れで行われるのか、耐震診断の流れを紹介しましょう。
1.耐震診断の流れ
耐震診断では「予備調査」と「本調査」の2段階の調査を経て、耐震性能を評価します。
建物の規模や構造によっても変化しますが、主な流れは下記の通りです。
まず建築物の概要を把握するために情報収集をします。
設計図書や増改築の履歴を確認して、現地で行う本調査に向けて予備調査していきます。
充分に情報収集できたら、現地調査が開始されます。
現地調査では、建物の使用状況や地盤調査、劣化状況の確認を目視で行います。(一般診断)
例えば「接合部に金具があるかどうか」や「外壁にヒビが入っていないか」「シロアリの被害はないか」「窓枠のゆがみはないか」などをチェックしていきます。
RC造やSRC造住宅の場合は、コンクリートや鉄筋の採取を行います。(精密診断)
全ての調査を終えると、ようやく耐震性能がわかるということですね。
2.耐震性能を表わすIS値とIW値の違い
耐震性能がどれほどかというのは、構造耐震指標である「Is値」または「Iw値」で評価されます。
この2つは構造の違いによって別けられ、木造住宅の場合は「Iw値」、非木造住宅の場合は「Is値」が耐震基準の数値となります。
国土交通省が定める耐震の目安の数値は次の通りです。
木造住宅の場合=IW値
- 0.7未満 → 地震による倒壊・崩壊の危険性が高い
- 0.7以上1.0未満 → 地震による倒壊・崩壊の危険性がある
- 1.0以上 → 地震による倒壊・崩壊の危険性が低い
非木造住宅(鉄骨造)の場合=IS値
- 0.3未満 → 地震による倒壊・崩壊の危険性が高い
- 0.3以上0.6未満 → 地震による倒壊・崩壊の危険性がある
- 0.6以上 → 地震による倒壊・崩壊の危険性が低い
Iw値またはIs値が「地震による倒壊・崩壊の危険性が低い」という基準値であれば、耐震補強は不要です。
しかし、それ以外の場合は何らかの耐震補強が必要になるでしょう。
また非木造住宅の場合は、Is値に加えて建物の水平方向の耐力を表わす「q値」が関与します。
q値が0.5未満である場合は、Is値が基準を満たしていても補強が必要になりますよ。
参考:建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針 – 国土交通省
3.耐震診断の費用や補助金について
気になる耐震診断の費用についてですが、一般的に12~25万円程度とされています。
この金額は住宅の構造や規模、図面のありなしによっても変わります。
ただ約20万円の出費となると、簡単に出せないという方も多いでしょう。
耐震診断には補助金制度があります。
補助金を利用すれば、多少なりとも家計の負担を減らすことができるので利用しない手はないですね。
補助金の交付は各地方自治体が実施しています。
2017年4月1日時点で、住宅の耐震診断の補助制度を実施している市区町村の割合は85.7%です。
率の欄の( )は、前回(H28.4.1時点)の値
多くの市区町村が補助制度を行っているので、自分が住んでいる自治体のホームページなどで確認すると良いでしょう。
また補助制度の利用条件や補助額は各自治体で異なりますので、併せて確認しておくと良いですね。
なかには費用の全額を補助してくれる市区町村もあるので、無料で耐震診断を受けることが可能です。
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耐震住宅の減免に必要な耐震基準適合証明書とは?
「耐震基準適合証明書」というものをご存知でしょうか。
耐震基準適合証明書とは、対象の建物が耐震基準を満たしていることを証明するものです。
この証明書があると住宅ローンが控除されるなど税制面で有利になるのです。
国土交通省のHPでは、下記のように記されています。
平成26年度税制改正により、現行の耐震基準に適合しない中古住宅を取得した場合であっても、所要の手続を行い、確定申告等の際に必要書類を提出することにより、以下の特例措置の適用が可能となりました。
ここでいう特例措置とは以下4つのことです。
- 住宅ローン減税
- 住宅購入で資金援助を受けた場合の贈与税の非課税
- 相続時精算課税制度の特例措置
- 不動産取得税の控除
これらの税制優遇を受けるためにも、中古住宅の購入を検討している方は耐震基準適合証明書の取得がおすすめです!
仮申請すれば中古住宅購入後でも住宅ローン減税を受けられる
そもそも中古住宅の取得で住宅ローンの控除を受けるためには、以下2つのどちらかに当てはまる必要があります。
- 築20年以内であること(耐火建築物は築25年以内)
- 耐震基準に適合する建物であること
※住宅ローン控除を受けるための条件は他にもあります。
そのため築20年以上の木造中古住宅を購入予定の方は、耐震基準適合証明書などの書類が必要となります。
さらに中古住宅を取得した時点での耐震性が求められるので、中古住宅の購入前2年以内に証明書を申請しなくてはいけません。
では、購入前に証明書を発行しなければ減税できないのかというと、そうではありません。
実は2014年度の税制改正により、中古住宅の購入後であっても仮申請をしておけば住宅ローン控除の適用が可能になったのです。
つまり、引渡し後でも住宅ローン減税を受けられるということですね。
ただし仮申請を忘れてしまうと減税の対象とはなりませんので、タイミングには十分に注意してください。
耐震基準適合証明書の発行手順
申請のタイミングを知るためにも、一通りの流れを理解しておきましょう。
耐震基準適合証明書の発行手順は次の通りです。
上記の発行手順に従って手続きすることで、先に紹介した4つの特例措置を受けることができます。
注意してほしいのは、引渡してから6か月以内に耐震基準適合証明書を取得する必要があるということです。
期限を守らないと不動産取得税の控除ができなくなってしまうので注意しましょう。
耐震基準適合証明書はどこでもらえる?
では耐震基準適合証明書はどこで入手すれば良いのでしょうか。
取得先は以下の4つです。
- 建築設計事務所
- 指定確認検査機関
- 登録住宅性能評価機関
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
いずれかの機関で発行を依頼することで証明書を手に入れることができます。
当然、証明書の発行は耐震基準に適合すると認定された建物のみとなりますので、耐震診断で不適合となった場合は発行できません。
証明書の様式は国土交通省のHPにてダウンロードできます。
建築士による証明書発行の場合は下記をご参照ください。
証明書発行の費用はいくら?
発行費用は建物の構造や規模、発行元などでも変わってくるのですが、大体3万円~6万円となっています。
ただし、この金額はあくまで証明書の発行にかかる費用であり、実際は耐震診断費用がプラスされることになります。
耐震診断を行ったうえで、耐震基準を満たす場合に耐震基準適合証明書が発行されるというわけですね。
そのため耐震基準に適合しなかった場合、つまり耐震改修すべき箇所が見つかった場合は、証明書が発行できない分料金が割安になることが多いので、事前にその際の料金も聞いておくと良いですよ。
依頼する発行元によっては、耐震診断と耐震基準適合証明書の発行をセットで安価に請負っているところもあります。
しかし、あまりにも安い価格設定だと耐震診断の質に問題がある可能性があるのでおすすめしません。
耐震診断や証明書の発行を依頼する際には、しっかりと実施内容や費用の内訳を聞くようにしてくださいね。
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安全な家を手に入れるための耐震補強工事とは?
耐震診断の結果、改修が必要となった場合は耐震改修工事をする必要がありますね。
耐震改修工事には、最初に説明したように大きくわけて3つの工法があります。
- 耐震補強
- 免震補強
- 制震補強
3つのうち➁免震補強と③制震補強は、主にビルやマンションなどの鉄筋コンクリート造の補強工法となります。
そのため戸建ての耐震性を高めるためには➀耐震補強が重要となります。
1.耐震補強工事の流れ
耐震補強の流れは以下の通りです。
まず耐震診断を行い、補強が必要となった際には耐震補強工事を行います。
そして補強工事を始める前に、耐震診断で基準に満たなかった箇所をどのように改修するのかといった補強案を決めます。
決定した補強案をもとに補強設計をしてもらいましょう。補強設計は、補強工事をするための大事な設計図となります。
また施工会社の選定は家づくりの時と同じくらい重要です。
詳しくは後述しますが、補強工法は住宅の使用や工法によって様々。
改修箇所に合った方法できちんと補強できるように、慎重に施工会社を判断するのがポイントです。
相見積もりなどで施工会社を選んだら、耐震補強工事を着工します。
2.耐震補強工事はどのくらい行われている?
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、実際に耐震補強工事を行った人の割合は全体の29.6%となっています。
引用:木耐協 耐震診断結果 調査データ|日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
上記の資料を見ると、大規模地震によって倒壊する可能性が高い住宅ほど耐震補強工事の実施率が高くなっていることがわかります。
倒壊の危険があるわけですから、工事実施率が高いのは当然ですね。
しかし、全体として耐震補強工事の実施率が約3割というのはかなり少ないと言えます。
なぜなら、もともと耐震補強の必要がない➀➁の数は全体の1割、耐震補強工事をするべき➂➃の数は9割という比だからです。
つまり耐震補強工事の必要性があるにも関わらず、工事を行っていない住宅が多いということですね。
このような結果となる原因のひとつに、耐震補強工事の割高な費用が考えられます。
3.耐震補強工事の費用や補助金について
耐震補強の価格相場は、約100~200万円が目安です。
金額は補強が必要な箇所や規模によって異なり、内訳も細かく分けられています。
(例)耐震補強工事にかかる費用
- 仮設工事… ¥60,000
- 基礎工事… ¥560,000
- 木工事… ¥640,000
- 内装工事等… ¥50,000
- 設備工事等… ¥130,000
- 解体撤去工事… ¥100,000
- 諸経費他… ¥150,000
総額費用… ¥1,690,000
参考:木造住宅の耐震改修の費用-耐震改修ってどのくらいかかるの?-編集 財団法人日本建築防災協会
100万円を超える工事費となるので、負担を感じる人も多いはず。
しかし耐震補強工事を行った場合、耐震診断と同様、各自治体から補助金を受けることができます。
そのため実際の負担額はもっと少なくて済むでしょう。
また助成金制度だけではなく、住宅金融支援機構による融資制度もあるため、もともと資金が少ない方でも耐震補強工事を実施することができます。
さらに、耐震補強工事を行うことで税制面も優遇されます。
4.増改築等工事証明書があれば減税できる
新耐震基準に満たない住宅を改修工事すると、「増改築等工事証明書」が発行できます。
この証明書により所得税や固定資産税が減税されるようになるのです。
2006年1月1日~2022年3月31日の間で耐震改修を行った場合、翌年度分の固定資産税の1/2が減額されます。
耐震改修工事を行うと、所得税と固定資産税、2つの減税制度を受けられるということですね。
たとえ耐震診断で基準に満たなかったとしても、その後しっかりと基準を満たすように耐震改修を行えば、減税の対象となります。
耐震改修工事にかかる高い工事費も補助金を利用することができますし、後々控除されると考えれば損はないのではないでしょうか。
耐震診断をして終わるのではなく、耐震改修工事も行うようにしましょう。
5.木造住宅の耐震補強方法
では具体的にどのような方法で改修工事が行われるのか、各部位の補強方法を解説します。
基礎
まず基礎についてですが、昔ながらの住宅のなかには玉石基礎で建てられたものがあります。
玉石基礎とは簡単に言うと石に柱を立てただけのもので耐震性がとても低いです。(上記左図)
最も重要な基礎と土台を強固に固定するためには、鉄筋コンクリートで基礎を増し打ちして、アンカーボルトで接合する補強工事を行います。(上記右図)
- 費用:3~5万円/m
壁
壁の補強では、筋交いや構造用合板を入れる方法が基本です。
内壁だけではなく、外側の壁に構造用合板を取り付ける方法もあります。
- 費用:12~15万円/幅91㎝
接合部
建築基準法の改正により、2000年6月以降に着工した木造住宅は接合部を金属で固定することが義務づけられました。
土台や柱、筋交いといった接合部は、ボルトやプレートなどで補強します。
- 費用(金物補強):3千円/箇所
シロアリ被害にあった木材についても、防腐措置をしたうえで金物をつけて補強することになります。
ただしシロアリの被害が大きく、中がスカスカになってまっている箇所は木材がえぐれてしまうので、腐食した木材を取り換える必要がありプラスの費用がかかります。
ちなみに金物の取り付けやシロアリ駆除はDIYすることも可能ですが、自分でやることで耐震性を欠いてしまっては意味がありません。
DIYをする際はしっかりとした知識を持ってから行いましょう。
屋根
屋根は軽量化することが耐震化につながります。
伝統工法の住宅に多い瓦屋根は重さがある上に、地震で崩れ落ちてしまうと二次被害を招く危険性があるため、銅板などの軽い屋根材に変更しましょう。
- 費用:1.5~2万円/㎡
参考:耐震診断・耐震改修のススメ|(一財)日本建築防災協
誰でもできるわが家の耐震診断|(一財)日本建築防災協
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お家で簡単に耐震性UP!耐震グッズおすすめ4種!
住宅そのものの耐震性を高められたなら、あとは室内でも地震の被害を最小限に抑えられれば完璧です!
たとえ倒壊する可能性がないと判断された家であっても、室内の事故は起こり得るものなので十分な備えが必要です。
そこで、ここからはおすすめの耐震グッズを紹介していきます。
➀耐震マット
耐震グッズとして定番の耐震マットは、テレビなどの転倒防止に最適。
室内にいる時に地震が起きて怖いのは家具家電が倒れてくることです。
耐震マットは粘着性が高いゲル状のもので、比較的小さなものに使うことが有効です。
剥がし方も簡単で、水洗いができるので何度も繰り返し使えるのが特徴です。
ただ長期的に利用すると効果が弱まってしまうので、有効期限に気をつけて使用しましょう。
おすすめはサンワサプライ社の耐震マットです。
サンワサプライは主にオフィス用品やパソコン周辺のグッズを販売している会社で、重量の大きなパソコンにも使える20㎝×30㎝の特大耐震シートも販売しています。
サイズだけではなく、丸型や透明色など種類も豊富ですよ。
より手頃な値段で耐震マットを手に入れたい方には、ニトリの耐震マットがおすすめです。
引用:転倒防止ジェル4個セット(40*40カク 4P) | ニトリ公式通販 家具・インテリア・生活雑貨通販のニトリネット
ニトリの「転倒防止ジェル」は、4つ入りで514円(税込)とリーズナブルな価格設定となっています。
またダイソーなどの100円均一ショップでも購入できるので、手軽に耐震グッズを手に入れたい方は耐震マットから揃えると良いですね。
➁耐震ストッパー
耐震マットと同じように、家具家電の転倒防止として利用できるのが耐震ストッパーです。
粘着シールが付いたベルトで固定するものや、マジックテープで固定するものなどがあります。
ネット価格だと2,000円前後で購入することができます。
ただシールで固定するストッパーの場合、粘着力が弱まってしまうと効果が得られない可能性があるので、耐震マット同様、有効期限に気を付けて利用するようにしましょう。
③耐震ポール
高さのある食器棚やタンスの転倒防止には耐震ポールを使用すると良いでしょう。
耐震ポールは天井と家具との突っ張り棒となるものです。
圧力をかけて固定するものなので、天井と家具のどちらにも強度が必要になります。
アイリスオーヤマでは最小約12.9~23㎝のものから最大約60~100㎝伸縮できる長い耐震ポールも販売しています。
耐震ポールと合わせて、耐震マットまたは耐震ストッパーを利用すると、より耐震に効果的ですよ。
➃スタビライザー(転倒防止金具)
前に紹介した3つよりも高い耐震効果を期待できるのが、金具で家具などを固定する方法です。
家具と壁を直接ネジで固定するので強度が高くなります。
スタビライザーにはいくつかの種類があります。
- ベルト式
- チェーン式
- ワイヤー式
- プレート式
- L字式
なかでも効果が高いのは下向きに取り付けるL字型金具です。
L字の金具が家具を上から抑え込む形で固定されるので、縦揺れの地震でも外れる心配がありません。
食器棚や本棚、タンスなど、大型で高さのある家具に利用すると良いでしょう。
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耐震住宅おすすめランキング7選
最後に耐震性の高い耐震住宅を紹介しましょう。
おすすめの耐震住宅は7つです。
1.住友林業の家(BF構法)【住友林業】
住友林業は独自に開発した柱を使用する「ビッグフレーム構法」で、耐震性の高い住宅建築を実現しています。
このビッグフレーム構法は、検証で阪神淡路大震災の約4倍の加速度の揺れに耐えられるほどの強さがあります。
さらに住友林業は、新たにセンシング技術に取り組んでいます。
センシング技術とはセンサーを使って情報収集するもので、例えば外出中に被災してしまい家がどうなっているのか心配な時でも、センサーがデータ収集をしているおかげで自宅の被災状況がわかるということです。
耐震性のあるビッグフレーム構法に、災害情報をいち早く把握できるセンシング技術が加わることで、より安心して暮らすことができるでしょう。
2.プレミアムグランウッド【大和ハウス工業】
同じく木造住宅で耐震住宅を販売しているのが大和ハウス工業。
2017年4月に誕生した「プレミアムグランウッド」は、大和ハウス工業の約60年もの建築技術が詰まった最高級の木造フルオーダー住宅です。
このプレミアムグランウッドは繰り返す地震に強い耐震性があります。
耐震性を高める最大の理由は、「グランデバイス」というエネルギー吸収型木造制震耐力壁が備わっているから。
くの字型のダンパーが地震の振動を吸収することで、一般的な木造住宅よりも高い耐震性能を発揮するのです。
長い維持力があるので、地震の多い日本で建てるにはぴったりな住宅ですね。
3.キュービック、新大地【ヘーベルハウス】
ヘーベルハウスの「キュービック」や「新大地」は、ハイパワード制震ALCという制震構造でつくられています。
下記図のように、筋交いのような制震フレームが地震のエネルギーを吸収するのです。
ヘーベルハウスは、土台となるコンクリートの基礎部分にも目をつけており、より耐震性の高い家づくりに取り組んでいます。
4.クワイエ【飯田グループホールディングス】
飯田グループのアーネストワン社が販売するクワイエは、地震の揺れを吸収する家として耐震性能にこだわってつくられています。
例えば共同開発のオリジナル制震装置(SAFE365)は、震度6強程度の地震が120秒間続いた場合でも制震性能は衰えないという実証実験の結果が出ています。
さらにコンクリートブロックや2×4材などを用いた新工法を開発・採用するなど、常に技術研究に余念がありません。
日々進化を続ける飯田グループホールディングスであれば、地震に強い最先端の住宅を手に入れられるでしょう。
5.積水ハウスの家【積水ハウス】
積水ハウスは高い耐震性能が標準仕様となっているため、すべての家が地震に強い設計で建てられています。
またオリジナルの制震構造である「シーカス」は、震度7程度の地震に対応できるようにつくられているため、大地震にも負けない家となるでしょう。
このシーカスダンパーに使用されるゴムは独自で配合したもので、耐用年数は100年相当とされています。
長期的に耐震性能を維持できることは大きな利点ですね。
さらに建物の耐震性能のみならず、地震発生後の生活にも目を向けている点が積水ハウスならではの良ポイントです。
具体的には、食器の飛び出しや家具の転倒を防ぐ機能を搭載したり、3日分の飲料水が確保できるストックシェルターの設置、トイレ用水に使える雨水タンクの設置など、地震後すぐに日常生活に戻れるようにと考えられています。
耐震住宅であることはもちろんですが、このように地震発生後の家の暮らしを想像して建てるというのも大事かもしれませんね。
6.グラディア【ノーブルホーム】
ノーブルホームのグラディアは「SE構法」を採用しています。
SE構法とは、耐震性と自由性を併せ持つ木造ラーメン構造のことです。
一般的に鉄骨造に用いられるラーメン構造を木造住宅で可能にしたものがこのSE構法なのです。
SE構法は構造計算によって基礎から設計されているので、図面通りの家が建つという意味でも安心して家づくりを進められますね。
グラディアは、木造住宅で耐震性能も欲しいけれど、大きな開口部も欲しいという方におすすめの耐震住宅です。
7.自然素材の家【ミライエ】
ミライエ株式会社の住宅は、制震ダンパー「ミライエ」を標準搭載しています。
耐震と同時に大切なのは制震であるとの考えから、揺れに耐えるだけではなく、揺れを制御するシステムとしてつくられたのが、制震ダンパーミライエです。
ミライエを住宅に装着すると、震度6強の地震を最大70%低減することが実証されています。
もともと地震に強い2×4工法とミライエの制震技術を組み合わせることで、より耐震・制震に優れた住宅を建てることができるでしょう。
ミライエをつくっているのは、「ゴム」と向き合って100年という歴史ある住友ゴム工業です。
全国に標準搭載ビルダーが設置されているので、気になる方はミライエ公式HPでチェックしてみると良いですよ。※ここで紹介しているのは製品と同じ名前の千葉県のビルダー、ミライエ株式会社のことです。
ミライエ株式会社は無垢材や珪藻土など自然素材にこだわった住宅を建てています。
木の温かみを感じながら地震に強い家を建てたいという方におすすめです。
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【番外】耐震改修促進法って何?
耐震改修促進法は、建築物を改修して耐震化を進めるための法律です。
つまり耐震性の高い住宅を増やすための法律ということですね。
耐震改修促進法の制定の背景にあるのは、1995年に発生した阪神淡路大震災です。
この地震の死者の約90%が建物倒壊による圧迫死であったことから、建物の耐震性が見直されるようになったのです。
耐震改修促進法はこれまで幾度も改正していて、直近では2019年1月にも改正法令が出ています。
内容としては、避難路沿道にある一定規模以上のブロック塀の耐震診断を行い、その診断結果の報告を義務付けるというものです。
この背景には、近年起きたブロック塀の崩壊による悲惨な事故が関係しています。
2016年4月14日に発生した熊本地震では、男女2人がブロック塀の倒壊により死傷する事故がありました。
また2018年6月18日に発生した大阪府北部地震では、当時9歳の女児が登校中に倒壊したブロック塀の下敷きとなって死亡しました。
いずれも現行の建築基準法に適合していなかったことが認められていますが、ブロック塀の老朽化が問題のひとつにもなっています。
このような悲惨な事故を繰り返さないためにも、建物だけではなく周辺の構築物の耐震性が求められるということですね。
ちなみに政府が掲げる耐震化率(耐震性の高い住宅の割合)は、2017年時点の82%から、2020年までに95%にすることです。
さらに2025年には耐震性の低い住宅を「おおむね解消する」目標を立てています。
この目標が達成されるか否か気になるところですが、残念ながら達成は困難だという声が多いようです。
住宅の耐震化率を高めるためには、さらなる公的支援の必要性があるでしょう。
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まとめ
ここまで耐震について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
東京都によると、南関東でマグニチュード7程度の大地震が今後30年以内に発生する確率は70%!
とても安心とは言えませんよね。
いつ起こるかわからない地震だからこそ、後であとでと先延ばしをせずに、できるだけ早く住宅を耐震化させる必要があるでしょう。
耐震改修(耐震補強)工事を行う場合、補助金を受けることができますし、融資を受けることもできます。
さらに新耐震基準に満たしていれば住宅ローンを控除することができるので、それだけでもメリットはあるでしょう。
自分や家族が安心して暮らせるように、今一度住んでいる住宅の耐震性を見直してみるのはいかがでしょう。
今記事がそのきっかけになれれば幸いです。