一生で一番大きな買い物と言われるお家の購入。
ほとんどの人が未経験で当然どのように進めればいいのか分からず不安ですよね。
今回は、建売住宅を購入する際に、「お金」や「必要となる書類」が「いつ」「どこで」必要になるかも含めて、建売住宅を購入するときの流れをご紹介していきます。
それでは解説をしていきます。参考にしてください!
もくじ
そもそも建売住宅とは?
建売住宅とは、土地と建物をセットで販売されている新築分譲戸建てです。
注文住宅とは違い、基本的に間取りや外観、内装などが事前に決められているため、家の中のこの部分を変更したいといったことはできません。
家の内装、デザイン、設備の仕様は、建売住宅を施工する会社(もしくは売主)によって異なりますので、複数の会社のお家を紹介してもらうのがいいかもしれません。
建売住宅購入の流れ
建売住宅の購入は大きく4段階に分かれます。
- 気になるお家を探す
- 申し込み~契約
- 契約後~引渡準備
- 引渡し~引っ越し
更に建売住宅を買う時には、仲介業者、売主、銀行、司法書士、役所とのやりとりが必要になります。
多くの場合、役所以外との連絡は仲介業者が代行してくれるため、複雑なやりとりは発生しませんので安心していただいて大丈夫ですが、それぞれがどのような関係があるかを把握する必要はあります。
4段階の流れとともにそれぞれの役割を解説してきます。
1.気になるお家を探す
この段階では特に必要なお金や書類はありません。
予算や立地条件、建物の仕様などですが、簡単に条件を話し合っておくと探しやすいでしょう。
気になるお家を探す
ほとんどの方が不動産情報サイトでお家を探す場合が多いでしょう。
不動産情報サイトに掲載されている情報は、同じ情報が多数載っていますが、サイト毎に特徴があります。
思ったような条件がない場合は複数のサイトを閲覧することをお勧めします。
その他には、直接仲介業者に訪ねて探してもらうなどがあります。
内覧する
気になる建売住宅が見つかったらまずは内覧してみましょう。
最初にお伝えした通り、この段階で費用が発生することはないので気軽に内覧しましょう。

ただ、中にはお家をたくさん見過ぎて、何がいいのか分からなくなったという方もいます。
あくまで自分の条件にあったお家を見に行き、ベストなお家を見つけましょう。
2.申し込み~契約
この段階からお金や書類などいくつか必要なものが発生します。
必要なものは、「印鑑」「源泉徴収票」「健康保険証」「運転免許証(身分証明書)」、発生する必要は「手付金」「印紙代」です。
自営業の方は、その他に3年分の決算書が必要になるケースが多いです。
購入申し込み
必要なもの:印鑑
予算、条件面などが合う建売住宅があれば仲介業者に依頼して購入申込書を書きましょう。
仲介業者によっては買付(カイツケ)と言った表現をしますが、どちらも同意義です。
書式も仲介業者ごとに異なる場合がありますが、記載されている内容はほぼ一緒で、「私」は「売主」に対しての記載した条件で「購入する意思があり」、「仲介業者」に交渉を依頼します。
と言った内容です。
条件の内容は「購入金額」「手付金」「契約日」「ローン特約の有無」「引渡希望日」などがあります。
基本的に交渉のチャンスは、購入申込を記載するタイミングのみとなるため、購入金額の交渉がある場合はこの段階で交渉しなければいけません。
また、その他の注意事項として重要なのが、既に完成している建売住宅の引渡日が短縮される傾向にあることです。
近年では契約してから1か月以内の引渡でなければ認められないケースも多く、非常に短期間で様々な手続きする必要があります。
引渡日の交渉は、購入金額以上に交渉が通りにくいことがあるため注意が必要です。
手付金とは、売買代金の一部として売主に売買契約時に支払うお金で、建売住宅を購入する際に一番早く発生する費用です。
一般的には売買代金の5%~10%と言われていますが、近年では数万円から受けてくれる売主もあり、交渉次第といったところです。
重要なのは、あくまで売買代金の一部であって余分に発生するお金ではないということです。
ローンの審査
必要なもの:印鑑、源泉徴収票、健康保険証、運転免許証
購入申し込みを記載する前にローンの審査をする方もいますが、銀行も不動産評価も含めて審査をするため、購入する不動産が変わると再審査が必要になることもあります。
そのため、購入申し込みと同じタイミングでローンの審査を行う場合がほとんどです。
ローンの審査も銀行に行く必要はなく、仲介業者が代行してくれる場合が多いです。
ローンの結果も、仲介業者と銀行が提携していれば代わりに確認をしてくれ、平日の日中に外出できない、電話に出られない方も問題なく審査が行えます。
ただし、仲介業者毎に提携している銀行が異なり、優遇される金利に差が出る場合があるので確認するのがいいでしょう。
運転免許証がない場合は、顔写真付きのマイナンバーカードで代用できる場合もありますが、自治体によっては発行まで2週間~1か月かかるため、早目に依頼しておくことをお勧めします。
また、この段階でのローン審査はあくまで「仮」審査なので、本審査の際に落ちる可能性もあります。
本審査は売買契約後にしかできません。
売買契約
必要なもの:手付金、印紙代、運転免許証、印鑑、(住民票、印鑑証明)
売買契約では、一般的に約2時間はかかり、細かい書類を除けば3つの書類を交わされます。
書類の一つ目が、「重要事項説明書」です。
購入する不動産(建売住宅)の法律上、周辺環境に注意事項。
その他には所謂事故物件ではないかなどの説明が行われます。
専門用語も入り混じった内覧中にはできないような細かい内容も説明されるため、不明な点があれば適宜質問していきましょう。
中には、売買契約書よりも重要事項説明書の方を重視する人もいるくらいです。
2つ目が「売買契約書」です。
売買契約には、購入金額や引渡日だけではなく様々な条件が記載されています。
仲介業者もしくは売主が売買契約書の内容を説明し、特に疑義がなければ署名・捺印を行いますが、契約書は、難しい言葉で表現されています。
不動産業者の中には、契約書をそのまま読み上げるだけの人がいます。
できる限りかみ砕いて説明するようにお願いすることをお勧めします。
売買契約書に署名・捺印が終わりましたら手付金の授受と印紙を貼付します。
印紙に関しては、仲介業者の方に依頼すると代わりに購入しておいてくれるケースが多いので、ほとんどの場合は、ご自身で購入する必要はありません。
また、この段階で住民票と印鑑証明を取得し、売主に渡しておくとこの後の流れがスムーズになります。
必ずこのタイミングで必須と言うわけではありませんが、住民票と印鑑証明が事前に取得できるなら、渡しておきましょう。
3つ目の書類が媒介契約書です。
不動産の売買の仲介を、仲介業者に依頼します。
という内容の書類です。
中には、対象の不動産もしくはその条件と取引で発生する仲介手数料の金額が記載されています。
事前に提示されていた金額と同一かどうかは確認しておいた方が良いでしょう。
その他に、売主によって仕様書や10年保証の説明書、独自の保証書、その他注意事項の案内など様々な書類の説明をされるケースもあります。
全ての書類を把握することは大変ですので、書類毎に一番重要なのはどこですか?と言った質問をすると重要なことは覚えておけるのでお勧めです。
3.契約後~引渡準備
売買契約が終わったら、ローンの本申し込み、金消契約(金銭消費貸借契約)、立ち合い検査などやることがたくさんあります。
引渡日まで期間がない場合が多いので、できれば購入申し込みを行った際、少なくとも売買契約が終わった段階でそれぞれの日程を決めておくことをお勧めします。
ローンの本申し込み
必要なもの:実印、住民票、印鑑証明、源泉徴収票(原本)、免許証、健康保険証、重要事項説明書、売買契約書
売買契約が終わりましたら、ローンの本申し込みを行います。
ローンの本申し込みには重要事項説明書と売買契約書が必須となっているため、売買契約後でなければ実施することができません。
期間がない、もしくは何回も手続きで出かけたくない場合は、売買契約の直後にローンの本申し込みをすることもできます。
その場合、事前に売買契約後に本申し込みの手続きがしたい旨を仲介業者に伝えておきましょう。
利用する銀行によっては仲介業者が本申し込みの手続きまで行える場合もありますが、ほとんどの場合は銀行の行員の方が行う必要があるため、事前にアポイントをとっておく必要があるからです。
ローンの本申し込みの審査は、銀行にもよりますが約1週間で完了します。
審査結果は、ローンの手続きを依頼した仲介業者さん経由で伝えられます。
仮に審査に落ちたとしても、売買契約書に記載された期限内であれば原則として違約金無しで解約が可能です。
ただし、仮審査から本申し込みの間に新たにローンを借りる、もしくは返済の滞納があったなど審査に大きく影響を及ぼす行為を行った場合は、ローン特約が利用できなくなるので、ご注意ください。
立ち合い
いきなり立ち合いと言われてもイメージが沸かないかもしれませんが、売主、買主、仲介業者で実際に建築されたお家に集合し、設備の説明を改めて実施するとともに、内部の傷や汚れの確認を行います。
お家の中で気になる箇所があった場合は、このタイミングで指摘してください。
これ以降に指摘しても修理などをしてくれない場合があります。
遠慮がちな方もいますが、とにかく聞いてみることをお勧めします。
金消契約
必要なもの:住民票・印鑑証明(新住所)、実印、運転免許証
金消契約は、金銭消費貸借契約と言い、つまり、ローンの契約です。
これには、ローンの借入日、借入金額、借入金利などが記載されており、銀行の行員さんと行います。
当然、引渡日(借入日)がいつになるのか、借入金額がいくらになるのかを確定しておく必要があります。
また、この際に提出する住民票、印鑑証明書は新住所(購入する建売住宅の住所)でなければいけなく、役所に行き、住民票の変更手続きが必要になります。
住所変更を行う場合の注意点は、役所で手続き中に既に引っ越しているか?と聞かれたら引っ越しているという必要があることです。
4.引渡し~引っ越し
引渡し
必要なもの:実印、銀行印、免許証
引渡しの日程は、必ず平日の日中でなければいけません。
ほとんどの支払いが振込で行われるため、銀行が開いている時間に行う必要があるためです。
ここでは、今までで最大人数の「売主」「仲介業者」「銀行」「司法書士」が集まります。
司法書士は、購入した建売住宅の土地と建物の登記を自分のものに変更する手続きをしてくれます。
建売住宅を購入する場合、ほとんどは売主指定の司法書士を利用することになるので、ご自身で司法書士を探す必要はありません。
引渡し当日の流れですが、司法書士に本人確認と契約書の内容を確認されると融資が実行され、ご自身の口座に振り込まれます。
同時に、振り込み用の伝票も記載するため、目の前に大金が並ぶことは基本的にありません。
ここで支払いが必要な残金の全てを支払います。
契約やこれまでのローン手続きと比べると驚くほど呆気なく終わり、銀行の手続きを待つだけになります。
できる限り時間を短くしたい場合は、月末、月初を避けると短時間で終わります。
引っ越し
引渡しが終わるまで、引っ越しはできません。
ただし、引っ越しの準備自体はできます。
引っ越し業者の選定は早めに動かれる方が多いですが、意外と忘れがちなのがインターネットの工事依頼です。
依頼してから数週間かかる場合がありますので、遅くともローンの本申し込みで承認が下りたら手配をしておくことをお勧めします。
水道・ガス・電気の手配、引っ越し業者の選定、インターネットの手配は忘れずに行いましょう。
最後に
建売住宅の購入は少しだけ異なる流れが発生します。
ただ、注意事項をおさえておけば綺麗な新築住宅を安く、かつ中古住宅よりも様々な保証がついた状態で購入できます。
売買契約書に印鑑を押すまで特に費用が発生することもありません。
まずは、気軽に相談しにいってみましょう。

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